今年鎮座百年大祭の明治神宮の参道である明治通りの並木のけやきが色づき始めて、もう週末の賑わいは外国人率が低いだけでずいぶん戻ってきています。この最新トレンド溢れる街にはファッションに興味がなくともいろんなアートを見ることができます。



 ファッションブランドの店が並ぶ通り沿いのオランダの建築家グループMVRDVのデザインによる不思議な形の建築物GYREにある〝GYRE GALLERY〟で、神宮の森の野外彫刻展で見た白い鹿の作者の『名和晃平 Oracle』展(来年1月31日まで)をやっています。オブジェと絵画を展示していますが、動く絵画に目が釘付けになり、ずーっとみていたくなりました。このビルにはMoMA(ニューヨーク近代美術館)のキュレーターによるセレクトショップもあって素敵なデザインの作品を楽しめますし、もちろん購入もできます。




 次に表参道から青山通りを歩いて、骨董通りに入ってからちょっと脇道のどん詰まりの見つけづらい〝Akio Nagasawa Gallery Aoyama〟でヴィヴィアン・マイヤーの日本初個展『Self portraits』を11月28日まで開催中。2013年のドキュメンタリー映画『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』を観たとき、ノンフィクションでこんなにワクワクすることがあるのかと思った興味深い内容だったので、実際に彼女の作品を見ることができてよかったです。今回は〝自撮り〟作品の展示ですが、会場にある洋書版の彼女の写真集で世界を熱狂させた〝死後に発見された写真家〟の作品を見ることができます。いつか自撮り以外の作品をもっと多くの展示する写真展をやってほしいと思います。



 さて、ここを後にして再び青山通りを渋谷方面を歩くと5年前に閉館して、いつ〝都民の城〟になるのか不明の〝こどもの城〟が見えてきます。囲われていますが、正面の岡本太郎の作品や壁のオブジェを見ることはできます。




 さらに下って美竹通りに入り、再び明治通りにぶつかったところに新しくなったMIYASHITA PARKが出現します。何と〝4階建ての公園〟になっていました。ブランド店も多数入り、ホテル、ギャラリーもあります。



 屋外彫刻にアートプロジェクトも展開されているそうです。オブジェはさりげなくあるのでうっかり見過ごしてしまうかもしれません。最上階が公園なのですがベンチや芝生だけでなく、有料のボルタリングウォール、スケート場、サンドコートまで完備。上にかかるアーチにやがて植物が生い茂るそうです。




 この長い公園の端から眼下に〝渋谷のんべい横丁〟が見え、公園の1階にも〝渋谷横丁〟と銘打った飲食店が並ぶエリアもあります。散々歩いて疲れたら最後にここで締めるというのもいいかもしれません。