「先生の地域包括ケアの課題を解決するうえで、特に必要なカードは何でしょうか?」 


 約半年前に行った大阪講演の中で、リアルタイム投票集計システムを使って参加者の医師・看護師等に地域包括ケアに向けた課題を聞いた。 


 最も多くの参加者が回答したのが「ケアマネジャーとの連携」で、「自治体との協働」がこれに続いた。この2つの選択肢が、「〇〇会との協力体制」など他の項目の2倍以上の票を集めた。 


 11月10日の中医協総会では「医療機関とケアマネジャーとの連携」に関する資料が提出された。その資料では「ケアマネジャーが看取りに対応するために行った支援の内訳をみると、24時間の連絡体制の整備や医療者との連携に関する項目が多いが、必ずしも十分に実施されていない項目もある」などと指摘されており、結論として「末期の悪性腫瘍の在宅患者について、患者の状態の変化に伴い適切なサービス提供を可能とする観点から、医療機関とケアマネジャーとの間の情報共有・連携等を、在宅時医学総合管理料等の要件としてはどうか」との論点が示されている。課題となっているケアマネジャーとの連携が進まないのであれば、施設基準に盛り込んでしまおうというわけだ。


 ほかにも、看取りについて患者や家族の希望に基づいて看取った場合を評価することなどが示された。2018年度の改定においてもターミナルケアが評価されることは間違いなさそうだが、“ケアマネジャーとの連携”と“患者の希望”(主観的なアウトカム)が重視されることになりそうだ。


  一方、8日の中医協総会では、病床数を要件とした診療報酬に関する課題が示された。従来は「500床」を区切りとしていた初診料・外来診療料における“減点”評価について、病院数が増加傾向にある「400~499床」に拡大される可能性が浮上した。実現すれば、紹介・逆紹介率を高める必要性が出てくるだけに、MRには、ますます“連携”をサポートする役割が求められることになりそうだ。 


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川越満(かわごえみつる)  1970 年、神奈川県横浜市生まれ。94年米国大学日本校を卒業後、医薬品業界向けのコンサルティングを主業務 とするユート・ブレーンに入社。16年4月からは、WEB講演会運営や人工知能ビジネスを手掛ける木村情報技術のコンサナリスト®事業部長として、出版及 び研修コンサルティング事業に従事している。コンサナリスト®とは、コンサルタントとジャーナリストの両面を兼ね備えるオンリーワンの職種として04年に 川越自身が商標登録した造語である。医療・医薬品業界のオピニオンリーダーとして、朝日新聞夕刊の『凄腕つとめにん』、マイナビ2010 『MR特集』、女性誌『anan』など数多くの取材を受けている。講演の対象はMR志望の学生から製薬企業の幹部、病院経営者まで幅広い。受講者のニーズ に合わせ、“今日からできること”を必ず盛り込む講演スタイルが好評。とくにMR向けの研修では圧倒的な支持を受けており、受講者から「勇気づけられた」 「聴いた内容を早く実践したい」という感想が数多く届く。15年夏からは才能心理学協会の認定講師も務めている。一般向け書籍の3部作、『病院のしくみ』 『よくわかる医療業界』『医療費のしくみ』はいずれもベストセラーになっている。