・1月8日 米バイオジェン·アイデック社の抗LINGO1抗体、急性視神経炎に対するフェーズII試験で有用性を確認

・1月12日 米シアトルジェネティクス社と米ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)社が抗PD-1抗体の併用を睨み共同開発

 

バイオジェン·アイデック社、中外製薬 


 バイオジェン·アイデック社は、初回発症の急性視神経炎(AON)患者を登録したフェーズIIであるRENEW試験において、抗Leucine-rich repeat and immunoglobulin-like domain-containing nogo receptor-interacting protein(LINGO1)抗体が主要評価項目である視覚誘発電位を達成したと発表した。


 RENEW試験は、AONを発症した患者82人を対象にして欧州、カナダ、オーストラリアの33施設において無作為化二重盲検で実施された。4週ごとに計6回、100mg/kgの抗LINGO1抗体またはプラセボが投与され、24週時点で評価された。主要評価項目は、全視野視覚誘発電位(FF-VEP)測定による、光刺激が網膜視細胞から視覚連合皮質に到達するまでの時間。試験の結果、プラセボに比べ抗LINGO1抗体がこの神経伝達の改善を示した。両群の有害事象と重篤な有害事象の発生率に有意差は見られなかった。抗LINGO1抗体投与群の2人の患者に重篤な注入後の過敏症と無症候性のトランスアミナーゼ値の上昇が報告されたが、免疫原性は認められていない。


 RENEW試験は抗LINGO1抗体に関するフェーズIIプログラムの一部分を成しており、RENEW試験とは別に再発寛解型または2次性進行型の多発性硬化症患者に対する無作為化二重盲検用量範囲探索試験のSYNERGY試験が進行中。SYNERGY試験の結果は2016年に得られる見込みである。これら2件のフェーズIIの結果によって、抗LINGO1抗体の脱髄性疾患への有用性が明らかになる。


 AONは、視神経のミエリン鞘の破壊と軸索の損傷が生じて、最悪の場合には視機能を失う危険性がある疾患。視神経炎には「原因不明である特発性の視神経炎」「多発性硬化症の視神経炎」「視神経脊髄炎の視神経炎」に分類されるが、抗AQP4抗体陽性となる視神経脊髄炎については、中外製薬が2014年の2月から抗IL-6受容体ヒト化モノクローナル抗体SA237のフェーズIIIを国際共同治験で実施。抗LINGO1抗体よりも進捗は早い。SA237には中外製薬の独自に開発した抗体が抗原に繰り返し結合する「リサイクリング抗体」の技術が応用されている。

 

シアトルジェネティクス社、BMS社、武田薬品工業、小野薬品工業 


 シアトルジェネティクス社とBMS社は、シアトルジェネティクス社の抗体-薬物複合体製剤の「アドセトリス」(ブレンツキシマブベドチン)とBMS社の抗PD-1抗体製剤の「オプジーボ」(ニボルマブ)の併用療法の臨床試験に関して提携契約を締結したと発表した。同契約では2つのフェーズI/IIが計画されている。


 最初の試験では、再発・難治性ホジキンリンパ腫患者を対象にブレンツキシマブベドチンとニボルマブの併用療法を評価する。2つ目の試験では、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を含む、B細胞性およびT細胞性の再発・難治性非ホジキンリンパ腫患者に焦点を当てて検討する。2つの臨床試験は2015年中に開始されるとみられ、ホジキンリンパ腫の試験はシアトルジェネティクス社が、非ホジキンリンパ腫の試験はBMS社が実施する予定だ。


 ブレンツキシマブベドチンは、再発ホジキンリンパ腫と未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)に承認されているが、移植に適格な再発ホジキンリンパ腫や他のタイプの非ホジキンリンパ腫には承認されていない。またニボルマブはリンパ腫に対して承認されていない。


 ブレンツキシマブベドチンは、CD30抗原を標的とする抗体と微小管阻害作用を持つ低分子化合物であるモノメチルアウリスタチンE(MMAE)がリンカーで結合されている。CD30を発現している腫瘍細胞に取り込まれると、蛋白質分解酵素によって切断され、MMAEを放出するよう設計されている。


 シアトルジェネティクス社は武田薬品と09年12月、ブレンツキシマブベドチンの開発を共同で進める契約を締結した。シアトルジェネティクス社は米国とカナダ、武田薬品はその他の国での商業化の権利を有する。共同開発の費用は折半されるが、日本では武田薬品が単独で負担する。


 この提携は北米以外で独占販売権を有している武田薬品にとってプラス材料である。このフェーズI/IIが成功裏に終了すれば、国内やアジアへの展開も図られることになろう。ニボルマブの国内とアジアの権利は小野薬品工業が有している。今後の両社の動きに注視したい。(勝)