大阪府薬務課が昨年11月~12月に行った薬事講習会アンケート調査で、府内で調剤業務を行っている薬局のオンライン服薬指導の実施状況が8.9%であることがわかった。同課が12日に明らかにした。


 このアンケート調査は、20年度の薬事講習会が新型コロナ感染のために、前年度まで会場集合方式で行われていたものを、ウェブ開催に変更したことを契機に行われた。ネットでの受講申し込みから実際の講習を視聴するまでには、このアンケートに回答する必要がある。このため、結果は全数を反映したものとなった。


 ウェブ薬事講習会の受講薬局は1468軒。府内の対象薬局数4299軒(20年9月30日時点)の34.1%。受講者数は3218人(延べ)。


 オンライン服薬指導について訊いたのは、コロナ禍のなかでのオンライン診療、調剤が拡大しているという認識があったためだと薬務課は説明している。「勤めている薬局が実施している」と回答したのは8.9%(131軒)、「いいえ」は84.6%だが、「わからない」も6.5%あった。


 結果について、薬務課の担当者は「少ない」との認識を示している。このため、担当者は薬剤師会など関係団体と課題を共有し、改善策を話し合う意向も表明した。


●半数が地域医療連携薬局への申請方針示す


 このアンケートでは、健康サポート薬局や地域連携薬局に関する動向も訊いた。「健康サポート薬局」は、12.5%がすでに届け出ていたが、届け出ていない55.1%のうち、届け出を予定しているのは28.8%にのぼった。ちなみに「わからない」もほぼ3分の1。大阪府内の健康サポート薬局は20年12月末時点で224軒で、中学校区に1軒(約430軒)の目標の半数程度。


 健康サポート薬局として届け出ができない理由は、「研修終了薬剤師がいない」が41.5%、「日常業務が忙しい」が39.1%、「地域の健康増進のためのイベントに関わることが困難」が29.3%が上位にあるが、「届け出が必要な書類がわかりにくい」「届け出するメリットがわからない」も10%以上の回答があった。


「地域医療連携薬局」については47.9%(703軒)と、半数近くが認定申請に意欲を見せているが、21年度中に申請予定は13.1%。予定なしは10.0%、わからないが42.1%。また「専門医療機関連携薬局(がん)」の認定申請については、14.5%が予定ありとしているが、21年度中の予定は1.6%(24軒)にとどまる。予定なしは38.2%、わからない47.3%だった。(一)