大阪府は7日、大阪市内に設置した大阪府ワクチン配送センターの業務を開始した。8日に大阪で初の医療従事者向け新型コロナウイルスワクチン接種を行う大阪急性期・総合医療センター(大阪市)に、700回分を配送した。3月2週までに大阪府に供給される医療従事者向けワクチンは7万人分。
大阪急性期・総合医療センター以外の府内78病院へは、8日から配送を本格的に開始する。78病院は9日から接種を始めるが、第3波以降の新型コロナ患者受け入れ病院のうち、患者受け入れ実績の多い病院が選択された。
約400病院への供給は第2弾以降になる。大阪府内で接種を希望する医療従事者は約31万人とされる。
今回開設された配送センターは、大阪府と佐川グローバルロジスティクスが共同でスキームを策定した「大阪独自モデル」。高齢者接種にも対応できるノウハウを構築していく方針で、同モデルでの配送システムについては、関東圏や中部圏での自治体が導入する方針を固めている。
7日には配送センターの一部が公開された。大阪府には、国から32台の専用冷蔵庫、128個の配送専用保冷バッグがワクチンに付随して届けられた。バッグは大阪府が独自に追加確保している。今回は同時に注射器やシリンジも供給された。
医療機関ごとに保冷バッグに必要数を小分けして配送するが、希釈・充填は医療機関での業務となる。
配送開始に立ち会った佐川グローバルロジスティクスの森田崇史執行役員は、2週間で大阪モデルを策定したとしながら、佐川グループ全体で対応したことを強調。温度管理や保冷バッグ確保に腐心したことを明かした。
大阪モデルでは、今後の高齢者接種、一般接種へと移っていくなかで、配送センターが基地の役割を果たしながら、市町村等へは基幹接種病院を在庫センターとして2次センター化し、集団接種にも個別接種にも対応していくことが、現段階では考えられているもよう。ワクチンは基本的に無料であるため、医薬品卸が配送を担う場面があるのか、微妙な課題が浮上する要素も残っている。