大阪府は8日、府立の大阪急性期・総合医療センターで、医療従事者に対する新型コロナワクチンの接種を開始した。7日に、大阪府ワクチン配送センターから配送されたもの。この日は同センターの後藤満一総長、併設されている大阪コロナ重症センターの藤見聡センター長のほか、両センターの看護師ら関係者200人が接種した。


接種を受ける後藤総長


 大阪急性期・総合医療センターの接種対象者は約2000人だが、現段階で接種を希望しているのは80%の約2000人。内訳は医師360人、看護師830人、同センターのその他医療従事者250人、コロナ重症センターの医療従事者60人、その他関係者100人、委託業者等400人を対象としている。


 9日以降は19日をメドに1日最大240人のペースで1回目の接種を行い、2回目の接種は29日から4月9日までを予定している。


 8日には後藤総長、藤見センター長のほか、3人の看護師が接種の様子を公開した。接種後15分は会場近くで経過観察を行い、急変時対応のための看護師1人とストレッチャーを用意するなどのルーティンも計画通り進められた。



 接種後に会見した後藤総長は、「痛みはまったくなかった」としたうえで、今回のワクチンがメッセンジャーRNAを使った極めて最新科学の中で作られたことなどを強調、「95%の感染防御効果が伝えられている。いかに早く接種を進めていくかが、医療機関としても防衛になると思う」と期待を示した。



 藤見センター長は、ようやく接種化が開始されたことに安堵を示しながら、「これまで医療従事者は不安と戦ってきた。スタッフが欠けることで病院機能が崩れるとの不安が除去されると思う」と述べた。


 一方、接種希望者が8割にとどまっていることについて両氏は、「ワクチンの素晴らしさは2月から院内でアピールしてきた。全員が受けてほしい」とし、とくに年度末で異動期でもあり、できるだけ接種して医療側も体制を整えるべきだとの認識も強調した。