厚生労働省の鎌田光明医薬・生活衛生局長は、28日の関西医薬品協会定期総会で、「薬事行政の動向について」をテーマに講演(収録放映)した。関薬協は同収録映像をウェブオンデマンドで6月3日まで会員向けに配信する予定。鎌田氏はこの日、局長就任以後、初めての講演となることも明らかにした。


 鎌田氏は後発医薬品における品質問題に関して、小林化工と日医工の対応などに厳しい受け止め方を強調。小林化工に関しては、発覚の経緯からしてインパクトの強い案件で、問題は根深いと指摘、「何度でも同じ話をしていく」との姿勢を表明した。とくに同社の経営層の無自覚さに言及し、「厚労省が立入るまでトップが現場に足を踏み込んでいない。回収などについてもレスポンスが悪い」として法令順守の認識の弱さを非難。


 日医工に関しては、後発品大手ということもあり医療現場への影響が大きいはずなのに、「業務停止から再開するにしても体制整備がすぐにできない」課題を強く指摘。それらを意識したマネジメントが必要ではないかと問いかけた。


 日医工の経緯から「無通告立入検査の実施強化」といったGMP調査体制強化を図っていることを説明しつつ、8月からの改正規定について前倒しでの実施を求めた。


 新型コロナワクチンの開発の関しては、「なかなか国産ワクチンが出てこない」との認識を表明しながら、20年度第3次補正予算でつけた「国産ワクチン開発企業について、発症予防効果を評価する試験の実施費用を補助する」などの取り組みに理解を求めた。