大阪府薬務課の石橋真理子課長は12日、府が19年度から5ヵ年計画で進めている後発品使用促進策について、現在のロードマップを一部変更し、軌道修正する方針を明らかにした。新たな戦略は、年内に開催する予定の21年度の「大阪府後発医薬品安心使用促進のための協議会」に諮る。


 大阪府の後発品使用については、今年5月までに公表された全国統計で、使用率の目標80%を超えた。一方で、後発品企業の不祥事などを原因とする後発医薬品供給不足が問題となっており、新たな指標づくりが必要となった。


 新たな指標は、府下八尾市でモデル的に進められている地域フォーミュラリの拡大、水平展開を模索検討することになりそう。石橋課長は「どんな指標にしろ、数値的な目標を設定することは必要だ」との認識を示した。


 大阪府八尾市は、後発品使用促進策の一環として、地域フォーミュラリ作成を進め、昨年3月末までに市内11病院の協力を得て作成した「11病院採用後発医薬品リスト」を冊子化している。


 昨年の使用促進協議会では、八尾市立病院の星田四朗総長が、後発品使用促進策としての地域フォーミュラリには課題が多いことも指摘する一方で、フォーミュラリが浸透すれば後発品企業が集約される可能性も指摘しており、薬務課がどのような目標設定で地域フォーミュラリを提案していくかに関心が集まる。