大阪府保険医協会は19日、今月8日から15日までに実施していたインフルエンザワクチンと後発医薬品(GE)の供給不足に関する会員アンケート調査結果を明らかにした。インフルエンザワクチン、GEともに供給不足を実感した会員医師はともに8割を超えた。同協会は12月に調査結果とそれをもとにした要望書を厚労省に提出する。
同調査は4407件の会員にFAXによるアンケートを実施、10.7%の470件が回答した。回答医療機関は院内処方が156件、院外処方が286件の内訳。
GEに関しては、「納入がなくなった」、「(処方箋を発行した)薬局に在庫がないといわれた」経験を持った医療機関は374件で約8割。不足を経験した医薬品は175品目に上った。挙げられた医薬品は「エディロール」(先発品)、「アルファカルシドール」、「エルデカシドール」などの骨粗しょう症薬が上位を占め、上位20位までには先発品も6品目入った。抗アレルギー薬、狭心症・高血圧薬なども多い。
GEの供給不足についての会員の意見では、薬剤への切り替えに患者への説明、薬局との対応、代替薬の検討などの業務過多が診療に影響しているとしたところが多く、他剤への切り替えによる弊害があったとの回答も104件みられた。その他、休薬を余儀なくされた130件、先発への切り替えで患者負担が増えた116件なども目立っている。
安定供給策については、国の支援が必要280件と最多で行政対応を求める声が多く、迅速な情報開示、GEへの品質管理規制強化などに加えて、GE使用促進政策そのものを見直す求めも174件あった。個別意見では、GE促進策が過度だったなどに加え、GE企業がCMで現状の供給状況を説明すべきだとの主張もあった。
インフルエンザワクチンに関してはすでに入荷171件、12月までに入荷予定147件、入荷数が減りめどが立たない144件などの実態が示された。個別意見では日本脳炎、おたふくかぜなどのワクチン不足を訴える声もあった。