関西医薬品協会は2日の会見で、11月12日付で会員各社に対し、「医薬品製造業者・販売業者としての社会からの信頼回復に向けた取組みへのお願い」と題した、野村博会長名の要請通知を発出したことを明らかにした。
関薬協は、上部団体の日本製薬団体連合会などからの通知を伝達する通知を出してはいるが、独自の通知を出すのは初めてで、不適正事案の発生や、供給不安の状況について看過できないとの判断から会員企業への注意喚起をはかった。
通知は、不適正事案はクオリティ・カルチャー醸成などの価値観が共有されていないとして、関薬協が行ってきた委員会活動や講習会活動を通じての情報・指導の徹底が十分ではなかったなどの分析を示したうえで、信頼回復に向けて法令順守のための体制整備・点検を進めるよう求めた。
そのうえで、製薬4団体で共同運営するPRAISE-NETへの関係者の参加登録を進めること、関連講演会・講習会への積極的な参加、会内委員会活動への積極的な参加を求めた。
一方、関薬協は同日の会見で、10月27日付で、徳島県から行政処分を受けた長生堂製薬に対して、厳重注意の処分を行ったことも明らかにした。今年に入って、会員企業の不祥事は長生堂製薬を含めて5件を数えるが、除名処分をしたのは小林化工のみ。これについて関薬協は、同協会が地域団体としてエッセンシャルな情報・指導活動を担っており、会内での活動を通じて当該企業の意識改革を促すものだと説明している。
会見では1日付で、福島県郡山市の日本全薬工業が新規入会したことを明らかにした。関薬協の加盟社は322社と最多を更新した。