大阪府の薬事審議会は18日、2021年度2回目の会合を開き、22年度に製薬企業経営陣の品質管理等の意識向上を目的とした検討を開始する方針を決めた。


 大阪府薬務課は18年度から2年間、大阪府に届出している第1種医薬品製造販売業44社に対して、立入調査を実施する際、経営陣のコンプライアンスに関する認識等を確認することを目的に、各社の役員トップクラスの同席を求め、薬務課長と意見交換した経緯があり、今回の検討方針はこれを踏まえたものになりそう。


 薬事審議会では、医薬品等基準評価部会で検討を進める方針で、部会長の伊井義則部会長(関西医薬品協会品質委員会委員)は、製造管理・品質管理・安全管理業務の重要性に対する経営陣の意識向上策を検討する方針を表明。現在、供給不安が起きているのは、経営陣に問題があるとの認識を表明したうえで、課題が役員間で認識されていることも多いが、内部通報制度などは機能していないことも指摘し、経営陣が率先して推進する体制づくりが必要だとした。


●改正GMP省令手順書モデルは策定終える


 一方、同部会が21年度に策定を進めてきた「改正GMP省令に伴う新たな手順書モデル」については、最終案をこの日公表した。検討自体は19年度から進められてきたが、21年8月に施行された改正GMP省令との整合性を確認し、最終案にこぎつけた。


 手順書モデルは、「記録の完全性」、「原料等の供給者の管理」、「外部委託業者の管理」、「安定性モニタリング」、「製品品質の照査」の5項目について策定。外部管理に関しては、リスクの大小を区分化し、確認作業内容を例示するなどの工夫を示した。


 モデルは3月末に通知を発出し、大阪府のホームページで公開するほか、業界団体主催の講習会を通じて内容の伝達を図る。