新型コロナ感染症治療薬「ラゲブリオ」に関して大阪府薬務課は8日、薬局に関して「現状は不足している状況認識はない」との見解を示した。しかし、発熱外来医療機関の近隣薬局とその他の薬局では、今後の状況に変化が起こる可能性も視野に入れ、現在認められていない薬局間の融通について国に弾力的な対応を求めていることを明らかにした。


 大阪府下ではラゲブリオ登録センターに登録している薬局は442件で、1薬局3人分までしか備蓄が認められていないが、薬務課によると都度発注は可能なため不足は起きていないという。ただ、オミクロン株蔓延の状況下でもあり、薬局間融通の余地は残しておきたい構え。また、薬務課はこの日、今後のファイザー製治療薬の承認状況なども注視していく方針も明らかにした。


 一方、新型コロナウイルス・オミクロン株の感染爆発で抗原定性キットの需給が逼迫しているが、大阪府では府が約40万キットを確保し、診療・検査医療機関へ有償での配布を8日から開始した。配送費は府が負担する。


 オミクロン株蔓延で、大阪府内でも抗原定性キットの需要は急速に高まっており、1日の需要数は4万キットにも達する日もある。需要実態は、医療機関による行政検査(保険適用検査)、事業者による濃厚接触者となったエッセンシャルワーカーが待機期間を短縮するための検査、感染不安を感じる無症状者の無料検査などにわたるが、今回の措置は医療機関による行政検査のみが対象。


 配付区分は、感染対応医療機関として府のホームページで公表している病院は上限400個、診療所同200個、HP非公表医療機関は病院同200個、診療所100個となっている。


 キットの供給については、状況をみながら第2弾対策の用意も進める。