大阪府は18日、2021年度1回目の「後発医薬品安心使用促進のための協議会」を開き、23年度を最終年度として策定していた「事業ロードマップ――使用割合80%達成に向けて」を改定する方針を了承した。後発医薬品メーカーによる一連の不祥事などを受け、品質・供給面での状況を考慮した。
改定ロードマップでは、「後発医薬品への信頼回復」を盛り込んだほか、ジェネリック医薬品(GE)の使用割合は昨年4月に瞬間風速的に80%を達成したことから、「達成」目標を「維持」に変更、新たな使用割合目標として全医療用医薬品を分母とする指標を加えた。この指標では全国平均59.1%に対し、大阪府は昨年月段階で57.4%。より医療費適正化に対応できる指標との説明もあった。
一方、大阪府はこのロードマップに盛り込んでいる、地域ごとにGE推奨リストを作る地域フォミュラリの作成を最終ステップでの目標に掲げていたが、これについては引き続き目指すことを明確にした。
このため、現在八尾市でモデル的に進められているフォミュラリ作成の水平展開が必要になることから、22年度には医師など医療関係者の理解を得る「意見交換の場」を設定する方針も示された。
医師会の対応が関心を集めるが、この日の協議会にオンラインで参加した大阪府医師会の栗山隆信理事は、「(検討状況を)見守りたい」と述べるにとどまった。大阪府関係者によると、モデル地域の八尾市では医師会の理解は進んでいるとしている。
●後発品企業経営陣との意見交換進行中
なお、この日の協議会では、後発医薬品の品質・供給問題が話題の中心となり、昨年12月25日に大阪府薬剤師会が主催した研修会内容をもとに、乾英夫府薬会長、日本ジェネリック製薬協会の田中俊幸氏らがそれぞれの対応状況などを報告した。
このなかで田中氏は、GE薬協の新たな会員アンケート結果などを反映した調査結果を3月24日に公表する予定を示した。
また、府側からは、府薬務課の石橋真理子課長が、昨年夏から後発医薬品企業の経営陣と会談を進めていることが明らかにされた。大阪府内に本社を持つメーカーと意見交換しているもの。
石橋課長は協議会終了後、対象企業は20社以上に上ること、現時点で10社近くと意見交換したことを明らかにした。各企業については、エラーの発見手法、気付きなどについて工夫を重ねている状況があること、休日返上での増産体制に取り組むなど、前向きに取り組んでいるとの印象も語った。