大阪府薬務課は後発医薬品企業の不祥事などを原因に、医療用医薬品供給体制の不安定が起きていることに対処する一環として、府内に本社をおく後発医薬品売上高ウエイトの大きいメーカーに対する意見交換を行っている。他の都府県に先駆けた試みだが、石橋真理子薬務課長は11日、これまでに対応した企業のほとんどにコンプライアンス重視の姿勢が強くなっているとの印象を語った。


 同課がこの取り組みを始めたのは昨年7月1日から。後発医薬品売上高の大きい11社を選び、社長との面談による対話を試みた。これまでに9社と会談し、残り2社との会談はコロナ禍もあって未定。


 石橋課長は意見交換を始めた目的について、後発医薬品使用促進を進めているなかで、不祥事等で後発医薬品企業への信頼が失われているとして、各企業が信頼回復にどのような取り組みをしているのかを、企業トップに直接ヒアリングし、状況を把握する必要を強調。概ね各社とも積極的に信頼回復策、増産体制に取り組んでおり、面談も30分以上、1時間を超えるケースもあったことを明らかにした。


 具体的対応に関しては、不祥事事案に関して社内でディスカッションする空気が醸成されていること、トップが自ら注意喚起する、エラーを現場だけで処理せず、また工程のなかでいつもと違うという気付きなどは社内で情報を共有する体制整備が進んでいるとの印象を得た。


 安定供給については、ほとんどの企業が生産体制をフル稼働させていること、複数工場での稼働開始、ラインの新増設などを検討、取り組んでいるとした。


 一方で、こうした取り組み姿勢は、現状では企業規模で落差があるとの印象はなかったとも述べた。