4月に東京圏とともに、内閣府から「グローバルバイオコミュニティ」に認定された「バイオコミュニティ関西」(BiocK)のキックオフセミナーが5月27日午後、大阪・本町で開かれた。2030年に関連市場92兆円規模を目指す政府のバイオ戦略の一環。19年に策定され、昨年6月には地域バイオコミュニティ4ヵ所(北海道、鶴岡、長岡、福岡)も認定された。BiocKは現在整備が進められている大阪駅北側の「うめきた」に本拠を置く予定。
BiocKのキックオフでは、委員長を務める澤田拓子・塩野義製薬副社長らが講演し、BiocKの課題や戦略などについてプレゼンテーションした。
澤田氏は、関西地域のバイオコミュニティ進展の課題として、スタートアップ企業の資金不足、人材不足を強調し、関西ではこうした課題解決に向けた戦略づくりに、とくに企業間のまとまりがないことを指摘。BiocKでは企業主導のプロジェクトに、官(公)学が連携する戦略を特徴としたいとの意欲を示した。
具体的なアクションプランとしては、オープンイノベーションを推進する分科会を組織し、課題ごとにリーダー企業をきめてスタートアップ支援のシステム構築を促す。
また、澤田氏はBiocKの課題として、国内外からの人材・資金の調達力の弱さを率直に指摘しながら、「発信力」の重要性に言及、25年の関西万博を契機として、「カンサイ」が国際語になるよう知名度を高める戦略も強調した。