大阪府保険医協会は5日、新型コロナ感染症第7波の医療機関への影響に関する診療所・病院アンケート調査結果を明らかにした。医療機関には治療薬への待望感が強いことが明らかになっている。3日までの集計分。診療所に関しては大阪府内の4000診療所のうち478施設が回答、8割近い374施設が「影響が出ている」としており、第5類への転換を求める意見も目立った。


 回答診療所のうち、6割が診療検査医療機関だが、発熱患者を診ている施設は7割を超えた。ワクチン接種機関は7割を超え、集団接種を含めると8割を超える。27施設が「以前はしていたがやめた」としており、理由としてワクチン供給不足、予約が少ない、発熱外来に業務集約などが挙げられている。


 検査キットの無料配布政策については、現場が混乱する、医療機関用の不足、陽性者が急増し診療に影響するなどの不安が挙げられ、影響ないは72施設にとどまる。


 スタッフへの感染の影響については、現在、陽性者・濃厚接触者がいる施設は35.7%に上るものの、3分の2は通常診察を継続している。


 国や自治体に求めたい政策は、検査キットの安定供給、治療薬の供給がいずれも半数を占め、とくに治療薬の早期承認を求める回答と合わせると、医療機関に治療薬を待望している空気が非常に強いことを裏付けている。またラゲブリオの使用制限に関する不満も大きい。


 一方、病院へのアンケートには大阪府内約500病院中45病院が回答。半数はコロナ患者受け入れ病院ではなかったが、それでも発熱患者は診ている11、検査実施21、陽性患者に対応8と、何らかの対応をしている病院がほとんど。発熱外来について現状は、大半が「キャパシティを超えている」。検査キットの無料配布は現場の混乱やキット不足を懸念する声が大きい。


 病院に関しては入院医療費の公費負担を示す「入院公費28」の番号発出の遅延に関する経営への影響も調べた。申請から発出までの期間は自治体間で格差が大きく、大阪市などでは半年以上かかるケースも多いことが判明している。そのため、大阪市ではレセプトが1年以上保留状態となっている病院が14施設、半年以上は20病院を数えている。


 保留レセプトの総金額(府内全体)は1000万円以上が38病院、1億円以上9病院を数える。回答病院からは経営への影響や、遅延により未収回収が困難になるケースが増えることなどの指摘もあった。