大阪府薬剤師会と大阪府薬剤師連盟は5日、大阪府市長会と同町村会に対して、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金について同交付金による支援先に薬局を加えるよう求める要望書を出した。
同交付金は4月に決定され、9月に「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金」が積み増しされ、予算総額は6000億円となった。しかし、政府が推奨事業として医療介護施設を対象としているものの、支援先は地方に任されていることから、「医療機関」は対象とはしない自治体も少なくない。大阪府も同様で、このため府薬は薬局も対象とするよう求めてきた経緯がある。
一方で、厚生労働省医薬・生活衛生局は8月2日付事務連絡で、「薬局等」の文言を明示して交付金支援を検討するよう全国の自治体に求め、7月25日に日薬、日本保険薬局協会、日本チェーンドラッグストア協会が連名で出した厚生労働大臣への「確実な支援」要望に応えた経緯がある。
しかし、大阪府薬によると、8月2日以降も大阪府は支援先対象から、薬局を含む「医療機関」を除く姿勢を変えなかったとしている。このため、府薬は5日付で市町村に直接働きかける方向に舵をきった。
府薬によると、5日時点で大阪府は姿勢を明確にしていない。また、府下市町村では茨木市が薬局10万円、病院50万円などの支援を内定しているがその他の動きは把握していないとしている。
大阪府が「医療機関」を対象としないのは、これらには別の各種支援策が用意されているとの理由が述べられているとみられる。府薬は、薬局はそれらに含まれたり含まれなかったりするケースがあるとして、「都合のいいときだけ薬局を医療機関に含める」との批判も会見では吐露される場面もあった。