大阪府保険医協会は20日、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが、5月8日から現行の2類から5類に移行することに伴う会員医療機関の対応に関する調査結果を明らかにした。発熱外来対応を一部緩和するなどの医療機関もあり、疑似症も含め全体の8割が対応する状況がわかった。


 調査はファックスによるアンケート調査。1週間で403件(会員医療機関は約4000)の回答を得た。同協会はこの結果を移行後の医療提供体制に関する行政への要望に活用する。


 現在、発熱外来を行っている医療機関は59.3%で、していないのは38.7%。しかし、5類移行以後は82.3%が対応する方向。


 しかし、移行以後も医療機関の懸念も小さくはなく、回答者の64.3%がマスク未着用の患者受診による院内感染への懸念を伝えている。また、公費負担廃止に伴う受診控え、診療報酬上の特例点数の廃止・縮小などへの懸念も上位を占めた。とくにラゲブリオやゾコーバの負担が外された場合の影響への懸念も大きい。インフルエンザにおけるタミフルのような一般的に使える治療薬ができるまで5類移行には反対との見解もあった。


 また、回答医療機関の73.7%が「入院先の確保」に不安を示し、行政による入院調整の継続を求める声も強い。