大阪公立大学大学院医学研究科の放射線診断学・IVR学の光山容仁氏らの研究グループは16日、胸部レントゲン画像からAIが体内年齢を推定するAIモデルを開発したことを明らかにした。疾患重症化リスクを予測するバイオマーカー開発につながることが期待されている。17日午前のThe Lancet Healthy Longevityに論文掲載された。
同グループは同じく胸部レントゲン画像から、心エコー検査に代わり得る心疾患診断AIモデルの開発を7月に発表している。今回も前回も複数施設から収集した胸部レントゲンの大規模データを活用しており、今回も08年から21年までの3万6051人の健常者の胸部レントゲン画像6万7099枚を利用し、AIモデルの開発と訓練を重ねてデータを得た。
一方、疾患モデルのバイオマーカーとしての有用性検証も同時期に並行し、高血圧、高尿酸血症、慢性閉塞性肺疾患、骨粗鬆症、肝硬変などに慢性疾患と年齢差に関連性がみられた。肺炎や虫垂炎、尿路感染症での関連性はみられなかった。グループは、こうした結果によって胸部レントゲン画像が健康情報を正確に反映するツールになるとしている。