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第48回 mRNAワクチン設計の間違い

2023/09/08

連載 :

 ファイザー・ビオンテック社とモデルナ社のワクチンは、修飾mRNAを用いて開発には成功したが、ドイツ・キュアバック社のワクチンは、非修飾mRNAを用いて最終的にはその開発には失敗した。それら3社のワクチンの特徴、開発経緯及び成否は、「カリコ博士の愛したmRNA(医薬経済社)」に詳述した。    ワクチンのmRNA成分は、翻訳開始のためにリボソームをそのmRNA上に効率的に積み込むための5’-UTR(非翻訳領域)、効率的な翻訳伸長のための最適化されたコドン使用、そして、効率的な翻訳終了のための最適な停止コドンを持つ必要がある。5’-UTRと下流にある3’-UTRの両方とも、mRNAの安定化のために最適化されるべきである。ウリジン(U)の1-メチルシュードウリジン(Ψ:プサイ)への置換は、ΨがUよりも塩基対形成で揺らぎがあるので、これら...  ファイザー・ビオンテック社とモデルナ社のワクチンは、修飾mRNAを用いて開発には成功したが、ドイツ・キュアバック社のワクチンは、非修飾mRNAを用いて最終的にはその開発には失敗した。それら3社のワクチンの特徴、開発経緯及び成否は、「カリコ博士の愛したmRNA(医薬経済社)」に詳述した。    ワクチンのmRNA成分は、翻訳開始のためにリボソームをそのmRNA上に効率的に積み込むための5’-UTR(非翻訳領域)、効率的な翻訳伸長のための最適化されたコドン使用、そして、効率的な翻訳終了のための最適な停止コドンを持つ必要がある。5’-UTRと下流にある3’-UTRの両方とも、mRNAの安定化のために最適化されるべきである。ウリジン(U)の1-メチルシュードウリジン(Ψ:プサイ)への置換は、ΨがUよりも塩基対形成で揺らぎがあるので、これらの

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