大阪公立大学(辰巳砂昌弘学長)と長崎大学(河野茂学長)は11日、感染症分野を中心にした包括連携協定を結び、大阪市内で締結式を行った。感染症関連の教育、研究および人材育成などの連携を行う。



 同日は両大学の感染症研究者などが参加のシンポジウムが行われたほか、大阪府、長崎県の各知事からビデオメッセージが披露された。セレモニーおよびシンポには塩野義製薬の手代木功社長ら、道修町関係者の参加もみられた。


 大阪公立大は4月に「大阪国際感染症研究センター」を設立。大都市大阪の感染症対策(メトロポリタンヘルス)に取り組む研究施設としてスタートさせた。府立大と市立大の合併で誕生した公立大は、医学部と獣医学部を持つことになり、人獣共通の感染症対策研究などにも対応していく方針。


 メトロポリタンヘルスの具体的研究としては、下水サーベイランスなどの事業がスタートしている。


 一方、長崎大学は感染症研究の国内拠点を目指し、昨年4月に「感染症研究出島特区」(DIDA)を設置。従来からあった熱帯医学研究所を中核に、高度感染症研研究センター、熱帯医学・グローバルヘルス研究科、医歯薬学総合研究科、大学病院の感染症研究の5つの部局を横串にし、感染症研究の効率化を図る体制整備を行った。


 DIDAはパンデミック発生時の緊急事態においては、病原体解析から臨床研究、迅速な治療薬・ワクチンを開発するプラットフォームとして、トップダウンでの緊急対応を行うとしている。なお、同大学は感染症研究施設としてBSL4レベルの研究施設を有している。