薬局DX推進コンソーシアム、大阪府、大阪市の三者が6日に国に創設提案した、「調剤業務の一部外部委託」に関する国家戦略特区について、大阪府薬務課は提案以後、大阪府の医師会、歯科医師会、薬剤師会に説明を行った。


 共同提案について薬務課は、特区における調剤業務外部委託のシステムについては何度か修正したことを示唆。特に一包化された薬剤の配送は、当初、委託先から患者への直送案が検討されたものの、厚労省研究班ガイドライン(暫定版)に準拠するため、委託した薬局が最終監査・服薬指導して患者に渡すことが原則とされたことを明らかにした。


 外部委託の構想に難色を示していた大阪府薬剤師会とは何度か意見交換し、修正協議したことも示唆したが、乾英夫会長らは6日の段階でも「違和感は払拭されていない」と反対の姿勢は崩していない。ただ府薬は、コンソーシアム内での協議にはオブザーバー的に参画する意向は表明している。


 処方箋発行側となる大阪府医師会は、大阪府に対し、「中小薬局が取り残されないよう対応してほしい」と要望した。


 31事業者で組織するコンソーシアムについては、軸となるファルメディコを中心に大阪市内の21薬局が参加、残りの10事業者は医薬品卸、調剤機器関連企業など。ファルメディコは兵庫県にも店舗があるが、コンソーシアム参加は大阪市内の店舗のみ。

 

●外部委託具体化へのハードルは高い


 薬務課は、実証実験を全国に先駆けて行うため、課題などを丁寧に抽出していく方針を強調した。ただ、最終的には、現在の法令である「薬局開設者は、調剤の求めがあった場合には、その薬局で調剤に従事する薬剤師にその薬局で調剤させなければならない」と定めた薬機法施行規則第11条の11の改正が必要なため、特区での実証実験は決してハードルは低くはない、との観測も示した。