関西の再生医療研究開発の一体化を目指して2019年に創設された未来医療推進機構(澤芳樹理事長)は5日、大阪・中之島に建設を進め、来年春ごろに開業予定の国際拠点施設の名称を、「中之島クロス」(Nakanoshima Qross)とすることを決めた。同日、澤理事長らが会見して明らかにした。澤氏は、中之島クロスを2025年の関西万博のレガシーに位置付けたいとの期待も示した。


 中之島クロスは旧大阪大学病院の跡地に建設されているもので、阪大中之島センターなどと隣接する。地上16階建て、延床面積5万7075㎡の大きな建物。「未来医療R&Dセンター」と、「未来医療MEDセンター」(11階建て)の2棟からなる。R&Dセンターの6階から16階に置かれるリエゾンオフィスの入居案内は昨年6月から始まっており、この日の会見では関連民間企業を中心に、相当数が埋まっていることが示された。


 同棟6階以下には、関西の経済団体や製薬団体、医療機関などで構成する未来医療推進機構のオフィスや、産学医連携スモールオフィスやインキュベータースペースとなっている。


 MEDセンターには、病院やクリニック、健診センターなどが入り、CPC(細胞培養加工室)が設置されるが、目玉はmyiPSプロジェクトを具体化する京都大学iPS細胞研究財団のiPS細胞製造施設の入居。患者の血液から作製したiPS細胞の全自動製造や保管、研究開発等を行う。


 会見で澤理事長は、24年以降はiPS細胞による再生技術の社会実装化を本格化させることを強調、「iPS細胞研究の優位性では日本は圧倒的だ。それを軸に再生医療分野ではまだ世界に勝てる」と述べた。


 そのうえで、中之島クロスの目指すべきゴールを、再生医療遺伝子治療製品の製造拠点化、シリコンバレーやボストンと同等以上のスタートアップ、ベンチャーの集積、PMDAなどと連携した迅速で合理的な製品化支援システム、医療情報集積とその2次利用、「目利き力のあるアントレプナーシップ教育」を通じたスタートアップ人材育成などを挙げた。