大阪府保険医協会は6日付で、「正常分娩の保険適用について慎重な議論を求める」との声明を発表した。


 国は2026年から正常分娩を保険適用化する方針を固めつつあるが、現行の「出産育児一時金」50万円での「保険適用」では、コスト割れする可能性が高いことをアピールするもの。保険適用が強行されれば、分娩施設では「混合診療」を求める動きにつながる可能性も見えている。


 声明では、同協会産婦人科部会が8月、府下125分娩医療機関にアンケート、6割を超える79施設が回答したとして、58%が「反対」、「どちらともいえない」が31%だったとして、実質的には消極的であること、分娩のみを対象とする有床診療所と病院に回答を絞ると76%が「反対」したことを報告。50万円が保険適用された場合、有床診と病院では69%が「経営を継続できない」としている。


 これらの結果から声明は、分娩施設へのアクセスと選択の自由度の確保が必要で、それには各施設の経営環境への配慮が必要なことを挙げ、単価が固定される保険適用は経営危機を招く可能性を強調した。


●混合診療の拡大につながる可能性も


 アンケートに付された意見では、「混合診療の許容もセットであるべき」や、分娩施設側の自由診療分の裁量度の拡大、50万円の大幅引き上げが必要との声もあり、無痛分娩の増加を反映して、「麻酔科医」の確保への悪影響を懸念する声も。


 今後、正常分娩の保険適用化については、「混合診療」の拡大論議を呼び込む可能性や、費用面から結果的に出産を躊躇う批判が出てくることが予想され、少子化対策としての効果に関して批判や見直し議論が活発化しそうな気配だ。