大阪府の後発医薬品安心使用促進のための協議会は16日、市内で23年度の第1回会合を開いた。安定供給に向けた後発品産業をめぐる対応に関して、厚労省医政局医薬産業振興・医薬情報企画課の説明があったほか、大阪府内における地域フォーミュラリの動向などの報告も行われた。
後発品の安定供給に関する厚労省の説明は、昨年10月の検討会中間とりまとめを軸に行われた。これに対し、大阪府薬剤師会の乾英夫会長は、医療・調剤の現場では3年以上の供給不安が続いており、患者も現場の医療担当者もつらい状況だと訴え、「安定供給のメドはいつ立つのか」と質した。
また、病院団体関係の委員からは、「地域によって過不足の製品状況が違う。医療機関は足らない医薬品を探し回っている状態が続いている」「こういう状況を予測できなかったのか。早く解消してもらいたいが、何とも言い難い状況」と、当局や医薬品産業側に対する不満も示された。
これに対し、厚労省側は「現時点でいつ(解消されるか)ということは答えられない」とし、日本ジェネリック製薬協会の小塙伸忠氏は、「いくつかの後発品企業の新工場が24年から稼働する見込みにはある」と説明したうえで、それでも目標とする生産量達成には「今しばらく時間がかかる」として理解を求めた。
主題の使用促進事業に関しては、大阪府が23年度までとしていたロードマップについて、フォーミュラリを活用した地域ごと推奨リスト作成の引き続きの水平展開の促進、全医療用医薬品に占める後発品割合を全国平均とする新目標などを内容とする見直しを、24年度に行う方針が説明された。
地域フォーミュラリについては、モデル地域の動向が報告された。21年にPPI/P=CABなどの運用を開始した八尾市薬剤師会が22年度以降もスタチンやARBに対象を拡大している。昨年から運用が始まった天王寺区薬剤師会、高槻市薬剤師会からも報告があったが、両地域では後発品の銘柄推奨までには至っていない。昨年から本格検討に入った堺市薬剤師会は具体的なフォーミュラリ検討を24年度から始める。
フォーミュラリに関する意見交換では、地域ごとに医師会との協議状況に落差があり、府の三師会レベルでの意見調整が進んでいない側面も垣間見られた。