大阪府薬剤師会(乾英夫会長)は17日、調剤機器等製作企業のユヤマとの提携で運営している災害調剤支援車を能登半島地震被災地に出動させた。同支援車は2018年8月にユヤマと府薬の間で、ユヤマが保守管理、府薬が支援時運営することで提携合意していた。実際に災害時のモバイルファーマシーとして出動するのは今回が初。


 今回の出動について乾会長は同日、日本薬剤師会から15日に要請があったこと、18日から輪島市門前で緊急処方箋の調剤支援やOTC薬配布などの業務を行うことなどを明らかにした。そのうえで、「被災者の安全安心につながり、健康な生活が1日も早く取り戻せるよう支援したい。17日は奇しくも阪神淡路大震災から29年目。被災者と心をひとつにして復旧復興に努めたい」と語った。



 支援者の出発に際しては、支援にあたる会員薬剤師の健康にも配慮を示した。18日からの支援車での業務には、山原大輝理事、生野区薬剤師会の有沢幸大副会長があたる。


 今回出動した支援車は3トン型トラックを改造したもので、モバイルファーマシーとしては大型。調剤関連機器のほか、トイレも装備されている。07年6月以前の運転免許取得者なら普通免許で運転できる。今回の運転はユヤマ社員が担当した。府薬の説明では、支援業務は宮城県のモバイルファーマシーを引き継ぐ形となるという。