大阪市は国家戦略特区事業として、4日の政府諮問会議で承認された調剤業務の一部外部委託に関して、7月1日から事業受付を開始する。事前相談することを前提にしており、相談予約などに関して12日付の市ホームページで公開した。


 一包化の業務に限定して委託できる。当面は在宅や施設向けの調剤が主体になるとみられるが、大阪市の横山英幸市長はこのほど、対物業務の合理化で薬剤師の対人業務が増える全国初の事業であることを強調するコメントを明らかにしており、一方で安全性等に関する検証も行うとしている。


 また、特区事業の共同提案者である大阪府の吉村洋文知事は6日に、事業は市民にプラスの効果があるとの期待を示しながら、「検証」する必要性に言及している。また、検証で安全性等がクリアされれば府下の自治体にも広げる方針。


 大阪府によると、事前相談を前提にした事業受付の期間は決まっていない。事業の進め方、検証などに関しては府市と、提案者である民間事業者によるコンソーシアムを作って具体化を進めている。事業内容に関してはコンソーシアムで調整が図られる。


 一方で、大阪府薬剤師会の乾英夫会長は外部委託に反対の立場を崩していない。ただ、コンソーシアムにはオブザーバーの形で参加している。大阪府は検証など事業推進に関しては大阪府薬、府医師会などとも体制をとって、意見を徴していくとしている。