製薬企業の安全管理、品質管理の意識改革を目的とした独自事業を展開している大阪府薬務課は、3月に「製薬企業の責任役員の方へ」と題した小冊子を公表、配布した。2024年度からは、従業員版とも言える関連人員の教育・人材育成にかかる冊子(成果物)を策定する方針で、その検討が24日、スタートした。


 医薬品等の品質管理、安全管理および製造管理を担う人員の教育・育成に関する検討は、府薬事審議会・医薬品等基準評価検討部会の今年度初会合で始まった。検討期間は25年度まで。


 今年度は製造販売業者、製造業者に対するアンケート調査を行い、その結果を分析、それに基づいて課題を共有する作業を行う。部会は今年度3回開催する。成果物の策定は25年度に本格化させる。


 この日、薬務課から提示されたアンケート内容は、製造販売業者に対しては、概要、総括販売責任者、GQP部門、GVP部門の4分野で項目を設定。製造業者は、概要、製造管理者、製造部門、品質部門で、品質部門は品質検査部門、試験検査部門に分けた項目も設定した。


 アンケート内容はかなり突っ込んだ質問も含まれ、例えば総括販売責任者の育成に関して、関与している役職者、次期総括販売責任者の選定状況、選定の課題、育成のための創意工夫、将来的な人材候補状況なども聴く方針。


 アンケート結果の集計、分析、それに基づく検討結果については年内にまとめ、1月の薬事審議会に報告する。結果を公表するかどうかは決まっていない。