大阪府薬務課は製薬企業の不正事案等に対処する目的で、安全管理、品質管理の意識改革を目的とした啓発冊子の作成などの事業を進めている。昨年3月に「製薬企業の責任役員の方へ」と題した小冊子を公表、配布したが、その従業員版の策定作業が7月に始まり、19日に府内製薬産業を対象にしたアンケート調査の内容が決まった。同日の府薬事審・医薬品用基準評価部会で調査のゴーサインが出された。


 従業員版では、アンケート内容が「医薬品等の品質管理、安全管理及び製造管理を担う人員の教育・人材育成に関する検討」を主旨としており、調査対象はGQP、GVP、GMPに従事する者。具体的には総括製造販売責任者、品質保証責任者となる。


 この日の部会では、「製薬企業の責任役員」を対象にした冊子の従業員版ではあるものの、個別業務の手技手法ではなく、マインドや考え方に力点を置く基本方針が了承された。


 昨年の「責任役員」向け冊子は関西医薬品協会が会員企業に配布するなどの活用も行われている。部会委員からは、関薬協の配布は好評を得ているとして、従業員版作成への期待が示される場面もあった。


 部会での検討作業は、年度内に3回目の会合を開いてアンケート結果の集計・考察を通じて現状把握や課題の抽出を行う予定。冊子そのものの策定は25年度となる。