シオノギヘルスケアは15日に開かれた大阪府薬事審議会医薬品適正販売部会で、同社製品の「メジコン」を中心に同社の市販薬濫用に対する取り組みを報告した。部会は薬剤師・登録販売者の資質向上のための「大阪府版アクションプラン」の策定を検討しており、オーバードーズ(OD)対策としてシオノギヘルスケアの空箱設置展開などの説明を得たもの。


 ODの現状について同社は、10代の主な使用薬物の変遷をみると2014年には4分の1程度だった「市販薬」が、22年には65.2%に達し、過去1の濫用経験率も15~19歳が最も多いなどの前提を提示。その上で、OD助長につながるX(旧ツイッター)の同社分析では「メジコン」が頻出することを把握、昨年4月に実態把握のために社内プロジェクトを立ち上げた。


 プロジェクトでは有識者・濫用者との意見交換、濫用頻発地域(東京=新宿区・目黒区・足立区、大阪中央区、名古屋中区)での現地調査、薬局薬店実態調査などを行った。


 その結果、「メジコン」という特定ブランドが特定地域で濫用目的に使用されているとして、「当該地域」での、「濫用者が容易に手の届かない環境が必要」との観点から、空箱設置に動き出した。設置は3都市でドラッグストア中心に315店舗。


 本年5月以降に実施した空箱設置店舗へのヒアリング調査結果(ヒアリング可能店は50~57店)では、盗難がなくなった店舗は56%、複数購入がなくなった73%、濫用者の来店が減少した54%などの結果を得た。


 一方、オンライン購入での7月時点での現状は、1年前に複数販売していた17企業に「1人1個」を依頼したところ、24年3月には「1人1~5個以内」に変更されていた。また、8月時点では1年前にはAmazon内で30箱購入の可能なサイトがあったものの、1個に減らされていたことも確認。しかし、Amazon内のメジコン販売店舗は増えており、上限がない店舗も新たに7件見つかったことも明らかにした。


 当該7店舗には「1人1個」を要請、4件が承諾したが、1件は拒否、2件は連絡がとれない状況も。


 同社は濫用者を排除せず寄り添う姿勢も強調、薬物回復支援団体DARCとの共催セミナーの開催などの「正しいケア」発信、QRコードから社外(8機関)関連ホームページにアクセスできるホームページ作成なども進めている。