大阪府薬剤師会は6日の定例会見で、10月から制度がスタートした選定療養に関して、年度内に会員に行うアンケートで、その影響を調査する方針を明らかにした。大阪府薬はここ数年、後発医薬品の流通状況などを訊くアンケート調査を実施している。
調査では選定療養に対応したケース、在庫がないなどの理由で選定療養外の措置を取ったケースなどを訊きたいとしているが、設定項目の内容や調査後の分析への影響などを考慮して具体的な質問内容は慎重に検討する。
乾英夫会長は、10月から現場での混乱を心配していたが、その様子はこれまではみられないと述べた。そのうえで、地域薬局の薬剤師や関係スタッフは数ヵ月前から対象患者への説明を尽くしてきたことが、混乱を回避できた要因だとコメント。
また、選定療養の対象となる患者の自己負担は大きく、後発医薬品への変更が進むとの見通しを示しながらも、後発品の供給不足の影響が大きく、「変更したくてもできない」状況を強調した。
会見に同席した役員からは、仕入れ不安や在庫不足など、完璧に対応できない状況がありながらも、国は新制度をスタートさせたとして、政策への批判的見解もあった。全体には仕入れに関する卸の対応、在庫の偏在などの問題が解消されないことで、選定療養をめぐる現場の薬剤師の説明負担は継続中だとの認識が繰り返された。
なお、同日の会見で乾会長は、12月から始まるマイナ保険証への対応についても薬剤師の説明負担が増えるとした。
また、衆院選で支援したものの落選した渡嘉敷奈緒美氏(大阪7区)について、渡嘉敷氏自身が次期も立候補する意欲を示しているとして、引き続き支援する方針を表明した。今月中に機関決定する。