令和6(2024)年度上期(4~9月)に、国内では73品目の医療用医薬品が新医薬品として承認され(承認事項一部変更承認を含む)、うち25品目が新有効成分含有医薬品(NME: New Molecular Entity)だった。分野別では抗悪性腫瘍用薬が最多(総数25、NMEs8)。NMEsの製造販売元を見ると、内資系企業が12品目、外資系企業が13品目だった。そこで今回は、内資系企業のNMEsを紹介する。
■がん・CNS:中国企業創製の薬も
がん領域では固形がんに対する分子標的薬(低分子化合物)2品目が、CNS領域では悪性腫瘍に伴う傍腫瘍性神経症候群および不眠症の治療薬各1品目が承認された〈表1〉。
【フリュザクラ FRUZAQLA/フルキンチニブ、武田】フルキンチニブは、予後不良で治療の選択肢が限られる転移性大腸がん(mCRC)の治療薬。3つの内皮増殖因子受容体(VEGFR)1/2/3全てのチロシンキナーゼ活性を阻害し、腫瘍の血管新生を阻害することにより腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられる。特徴として「標的外のキナーゼ活性を最小限に抑えた高い選択性」「持続的な標的阻害を成し遂げる薬物曝露」等を謳っている。
同剤は、がん・免疫疾患領域のグローバル展開を視野に入れたバイオ医薬企業HUTCHMED(和黄医薬)社(香港)が創製。武田が、中国本土・香港・マカオを除く全世界での開発・商業化・製造を進めるための独占的ライセンスを有している。なお、今回の承認は主に、日米欧豪で実施された国際共同第3相試験(FRESCO-2試験)に基づいている。
【タスフィゴ TASFYGO/タスルグラチニブ、エーザイ】タスルグラチニブは、膵臓がんに次いで予後が悪い胆道がんの治療薬。胆道がん(国内患者推計約2.2万人)の15~30%を占める肝内胆管がんの約14%に認められる線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)融合遺伝子を有する患者を対象とする(コンパニオン診断薬は24年8月に承認済み)。この遺伝子は、がんの発症や増殖に直接関わるoncogenic driverであることが示唆されている。同剤は、FGFR1/2/3の選択的阻害によって、FGFR融合タンパク等および下流のシグナル伝達分子のリン酸化を阻み、増殖抑制作用を示すと考えられる。
同剤は、エーザイの筑波研究所が創製。20年からの国際共同第Ⅱ相試験は日本と中国で実施。21年2月には「FGFR2融合遺伝子を有する切除不能な胆道癌」について希少疾患用医薬品の指定を受けた。従来のFGFR阻害剤と異なる基本構造の特徴を有し、FGFRに対して、素早く強力かつ高い選択性を示す結合様式でキナーゼ阻害作用を示すことが、速度論的解析実験から推察されている。
【ファダプス FIRDAPSE/アミファンプリジン、ダイドーファーマ】ランバート・イートン筋無力症候群(LEMS)は、シナプス終末からのアセチルコリン(ACh)放出量減少により、四肢の筋力および腱反射低下・自律神経症状などを呈する、自己免疫性の神経筋接合部疾患で、50%以上に悪性腫瘍(主に小細胞肺がん)を合併する傍腫瘍性神経症候群の一つ(日本神経学会「重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022」)。
アミファンプリジンは、経口のK+チャネル阻害剤。❶神経筋接合部の前シナプス膜にある膜電位依存性K+チャネル阻害→❷細胞膜の脱分極→❸膜電位依存性Ca+チャネルの開口→❹細胞内への Ca+流入促進→❺AChを含むシナプス小胞のエキソサイトーシス(開口分泌)誘発→❻シナプス末端から間隙へのACh放出促進という機序を介して、神経筋伝達を向上させ筋肉の機能を改善すると考えられる。
同剤は、希少疾患患者の生活改善に取り組むバイオ医薬企業Catalyst社(米国)が創製。21年5月に「LEMSにおける筋力低下の改善」について希少疾患用医薬品の指定を受けた(同年8月にダイドーファーマに付け替え)。19年設立のダイドーファーマは、出生時や小児期から多くみられる希少疾患や、患者数が極めて少ないウルトラ希少疾患を中心とした分野で、世界のバイオベンチャーが創出した新薬候補の早期導入・開発・承認取得に取り組んでいる。
【クービビック QUVIVIQ/ダリドレキサント、ネクセラファーマ】ダリドレキサントは、スボレキサント(販売名ベルソムラ/14年承認、MSD-エーザイ)、レンボレキサント(同デエビゴ/20年承認、エーザイ)に続く、デュアルオレキシン受容体拮抗薬(DORA)。覚醒促進・安定化機能がある神経ペプチドに結合し、活性を阻害することで作用する。オレキシン受容体にはタイプ1(OX1R)とタイプ2(OX2R)があり、脳の覚醒促進領域によって、いずれかまたは両方を発現しており、全体の活動を低下させるためには両者を阻害する必要がある。
同剤は、革新的な小分子の発見・開発・商品化を専門とするバイオ医薬企業Idorsia社(スイス)が創製。同社は、1998年以来、オレキシンの科学に取り組んできており、効果の迅速な発現と、最適な有効量で一晩中作用するのに十分な持続時間を持ちながら、翌朝のマイナスの残留作用を回避できるDORAを目指して設計。25,000 を超える化合物から同剤にたどり着いた、としている。
■感染症:新型コロナ組換えワクチン1年越しの承認
感染症領域では、抗ウイルス薬1品目およびワクチン2品目が承認された〈表2〉。
【リブテンシティ LIVTENCITY/マリバビル、武田】マリバビルは、サイトメガロウイルス(CMV)に対する化学療法剤。造血幹細胞移植や固形臓器移植後の難治な(既存の抗CMV療法が効きにくい)CMV感染症患者を対象とする。
CMVは広く存在するヘルペスウイルス(2本鎖DNAウイルス)で、成人集団の最大60〜100%に感染歴がある。通常、幼小児期に唾液・尿・母乳等を介して感染した後、潜伏・持続。免疫機能が低下した人では重篤な症状を生じることがあり、移植後の感染性合併症に関与する主な病原体の一つだ。同剤は、CMVの増殖に必須のpUL97(UL97遺伝子でコードされるプロテインキナーゼ)を阻害。ウイルスDNAの複製やカプシドの形成と核外放出など、複製過程における複数の段階に作用し、CMVの増殖を抑制する。
同剤は米国ミシガン大学とGSKが創製。米国では画期的治療薬と優先審査制度の対象となり、21年に武田がFDAから承認を受けた際は「他剤で難治の一般的な移植後感染症に対する初の治療法」として高く評価された。
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【コブゴーズ COVGOZE /組換えコロナウイルス スパイクタンパク質抗原、塩野義】同剤(S-268019)は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の起源株に対する1価の組換えタンパクワクチン。UMNファーマ(塩野義の100%子会社)が独自開発した組換えタンパク製造プラットフォーム、すなわち、昆虫細胞にのみ効率よく遺伝子情報を届けられるバキュロウイルスベクターを使用し、昆虫細胞の中で目的タンパク質を大量に産生させるBEVS(Baculovirus Expression Vector System)を活用。ワクチン製造に不要な物質を除去した原薬に、アジュバントを添加したものだ。
20年8月に厚労省の「ワクチン生産体制等緊急整備事業」(交付基準額476.9億円)およびAMEDの「COVID-19に対するワクチン開発事業」に採択され、同年12月に第Ⅰ/Ⅱ相試験を開始(21年8月にアジュバント変更)。22年11月に「初回免疫(1回目、2回目接種)および追加免疫(3回目接種)によるCOVID-19の予防」を適応として承認申請。23年7月の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会では、「臨時接種で主に使用されているmRNAワクチンを接種できない者、mRNAワクチンの接種を希望しない者が一定数存在」しているが、その時点で使用可能なSARS-CoV-2ワクチンはヌバキソビッド(本剤と同じく起源株に対する遺伝子組換えタンパク質ワクチン)のみであったことから、「mRNAワクチン以外のワクチンの選択肢の一つとして本剤を新たに導入する意義はある」「本剤の導入は遺伝子組換えタンパク質ワクチンの安定的な供給に資することが期待できる」と評された。
ただし、対照群に設定されていたバキスゼブリア(アストラゼネカ)投与群やコミナティ(ファイザー)投与群の中和抗体価が想定よりも低く、申請時までの臨床試験成績からコブゴーズの有効性を評価することに対して議論があって継続審議となり、24年5月の医薬品第二部会で初回免疫について承認を受けた。なお、承認後の供給は予定しておらず、今後の推奨株を考慮した開発を進めているという。
【ミールビックⅡ MEARUBIKⅡ/MRワクチン、阪大微生物病研究会】同剤は、05年に承認されたMRワクチン、ミールビックの改良品。販売名は、麻しん(Measles)、風しん(Rubella)、製造元のBIKENに由来する。定期接種は、❶第1期(生後12ヵ月~24ヵ月)、❷第2期(5歳以上7歳未満で小学校就学前の1年間にある者)、❸1962(昭和37)年4月2日~1979(昭和54)年4月1日に生まれた男性(2025年3月末までの適用)が対象。任意接種は、性・年齢にかかわらず可能。
ミールビックⅡの有効成分はミールビックと同一だが、より安定した原材料供給のため、風しんウイルスの培養基材を従来のウズラ胚培養細胞から、ヒト二倍体細胞株(MRC-5)に変更し、ウズラ卵の供給リスクに対応した。
製造販売元の一般財団法人 阪大微生物病研究会は、1934年の設立から今年で90年。大学発ベンチャーの先駆けで、国産第一号の生ワクチン(ポリオ、麻しん、風しん、水痘)などを世に出してきた。
■外皮、泌尿器:新規機序のアトピー治療薬も
外皮領域で1品目、腎疾患関連で2品目が承認された〈表3〉。
【ブイタマー VTAMA/タピナロフ、日本たばこ産業】芳香族炭化水素受容体(AhR:aryl hydrocarbon receptor)はリガンド依存的な転写因子。さまざまな化合物によって活性化され、幅広い生理機能や免疫応答の調整に関与している。皮膚においては、免疫反応・皮膚バリア機能・抗酸化作用に関する遺伝子の発現を調節し、恒常性維持の役割を担っている。アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬の病態形成には、サイトカインの過剰産生、皮膚バリア機能異常、酸化ストレス亢進などが関与している。
タピナロフは、非ステロイド性で低分子の、治療用AhR調節薬(TAMA)であり、既存薬と異なる作用機序でアトピー性皮膚炎および尋常性乾癬の症状を改善する。作用機序は、❶同剤がケラチノサイトや免疫細胞の細胞質内でAhRに結合→❷結合したAhRは核内に移動し、AhR核内輸送体と二量体を形成→❸二量体が核内の受容体と結合し、炎症抑制や皮膚バリアに関連する遺伝子の発現を促進する。また、❹同剤によるAhR活性化に伴い、ケラチノサイトの核内で抗酸化作用をもたらすNrf2経路が活性化→❺酸化ストレス低減、という流れだ。
同剤は、Dermavant社(米国)が創製し、日本たばこ産業が国内での開発権を得て開発。24年8月に薬価基準に収載され、24年10月末に鳥居薬品が販売を開始する。
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【ビルタサ Veltassa/パチロマー、ゼリア新薬】同剤は、高カリウム(K)血症を治療する非吸収性の陽イオン吸着ポリマー。パチロマー(活性本体)のカルシウム塩とD-ソルビトールで構成される。
高カリウム血症は、主に慢性腎臓病患者、心不全患者、血清カリウム(K)値を上昇させる薬剤(レニンーアンジオテンシンーアルドステロン系阻害剤など)を投与中の患者などで認められる。動悸、吐き気、筋肉痛、脱力感、麻痺、感覚異常などの症状を伴う場合があり、高度になると致死性の不整脈を引き起こすことがある。
薬物治療として国内では、陽イオン交換樹脂であるポリスチレンスルホン酸ナトリウム〔販売名:ケイキサレート(鳥居)ほか〕と同カルシウム〔カリメート(興和)ほか〕、非ポリマー無機結晶の陽イオン交換化合物であるジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物〔ロケルマ(アストラゼネカ)〕などが用いられてきた。
パチロマーは、既承認薬と同様、消化管(主に結腸)管腔でKを吸着し、糞便中への排泄を増加させることで、高カリウム血症患者の血清K値を低下させる。同剤は、アンメット・メディカル・ニーズに取り組むCSL Vifor社(スイス)が創製し、ゼリア新薬が国内での独占的開発・販売の契約に基づき開発した。
【ルプキネス Lupkynis/ボクロスポリン、大塚】ボクロスポリンは、細胞内シグナル伝達に関与する脱リン酸化酵素、カルシニューリンを阻害する(CNI)、ループス腎炎治療薬。作用機序は、❶同剤が細胞内タンパクであるシクロフィリンと結合→❷その複合体がカルシニューリンの活性化を阻害→❸T細胞活性化にあたってサイトカイン(IL-2、IFN-γ、IL-4、GM-CSF)遺伝子の誘導に必要なさまざまな転写因子の活性化を阻害→❹リンパ球増殖・T細胞サイトカイン産生・T細胞活性化表面抗原の発現抑制→❺免疫抑制、という流れだ。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、T細胞、B細胞などに起因する免疫異常を背景に、多彩な自己抗体が産生され、皮膚・腎臓・脳など全身の臓器を障害する自己免疫性疾患。ループス腎炎はSLEに伴って生じる腎疾患で、糸球体への免疫複合体沈着、細胞増殖、微小血栓の壊死などが引き起こされる。症状としては、関節痛、発熱、皮疹などが見られることがある。ループス腎炎の治療について、日本リウマチ学会等による「SLE診療ガイドライン2019」では、国際腎学会/腎病理学会分類に基づき、病型に応じた寛解導入療法を検討する旨が記載されている。また、近年は標準治療にCNIを加えるマルチターゲット療法も検討されている。
同剤は、自己免疫疾患に取り組むAurinia社(カナダ)が創製。国内では、大塚が20年12月に日本と欧州における独占的開発販売権を同社から取得するライセンス契約を締結した。
■その他:医師主導治験で8年越しの承認も
その他の領域では、月経困難症治療薬と歯科用局所麻酔剤 各1品目が承認された〈表4〉。 【アリッサ Alyssa/エステトロール・ドロスピレノン、富士製薬】月経困難症は、月経期間中に月経に随伴して起こる病的症状。下腹部痛、腰痛、腹部膨満感、嘔気、頭痛、疲労・脱力感、食欲不振、いらいら、下痢、憂うつ等の症状が女性のQOLや就労に与える影響は大きい。月経困難症の疼痛発現には、プロスタグランジン(PG)などの過剰分泌に関連する子宮平滑筋の収縮、それに伴う虚血や神経末端刺激によってもたらされると考えられている。 原因別には、器質的な疾患(子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫など)を有しない❶機能性月経困難症と、有する❷器質性月経困難症とに大別される。❶の治療には、PG合成を阻害する非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)、低用量エストロゲン(卵胞ホルモン)・プロゲスチン(黄体ホルモン)配合剤(LEP)、漢方薬、鎮痙剤、レボノルゲストレル(黄体ホルモン)放出子宮内システムなどが用いられる。❷に対しては、まず原疾患の治療の要否を検討し、必要な場合はそれを優先。必要としない場合は❶の治療に準じる。
エステトロール・ドロスピレノンはLEPであり、エストロゲンとして新有効成分エステトロール(E4)、プロゲスチンとしてドロスピレノン(DRSP)を含有する。
LEPは、排卵抑制作用と子宮内膜増殖抑制作用により、月経困難症の症状を和らげる。ただ、既存のLEPはエストロゲンとしてエチニルエストラジオール(EE)を含有しており、凝固線溶系の変化を来し、静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクがある。
1965年にカロリンスカ研究所の研究者が発見したE4は、エストロン(E1)、エストラジオール(E2)、エストリオール(E3)と並ぶ天然型エストロゲンで、通常はヒト胎児肝臓で産生される。腟、子宮内膜、骨、血管系、脳に対してはエストロゲン活性を示す一方、乳房組織などに対しては影響を及ぼさないという特徴がある。また、E4投与による血液凝固線溶系の生化学指標の変化は、対照薬より軽微であることが示されている。
エステトロール・ドロスピレノンは、Estetra社(旧Mitha社)が創製し、20年3月に初めて、カナダで経口避妊薬として承認。日本では「経口避妊薬の副効能として月経困難症を使用できる」とされている(日本産婦人科学会・日本女性医学学会「OC・LEPガイドライン2020年度版」)ことから、富士製薬が月経困難症治療薬として開発し、24年9月に承認を得た。
【セプトカイン Ceptocaine/アルチカイン・アドレナリン、ジーシー昭和薬品】新有効成分であるアルチカイン塩酸塩はアミド型の局所麻酔剤であり、電位依存性ナトリウムチャネルを阻害することで神経興奮の伝達を抑制し痛覚を遮断する。一方、アドレナリン酒石酸水素塩は、αアドレナリン受容体を介して粘膜血管を収縮させ、アルチカインの血管内への吸収を低減することで、麻酔作用を増強し麻酔持続時間を延長させると考えられている。両者を配合した同剤は、歯科・口腔外科領域における浸潤麻酔または伝達麻酔に用いられる。
現在使用されている局所麻酔剤の構造は、ベンゼン環(アルチカインはチオフェン環)、第3級または第2級アミン、両者をつなぐ中間鎖から成る。中間鎖にエステル結合があるものが「エステル型」、アミド結合があるものが「アミド型」で、基本的に前者は血中のエステラーゼ、後者は肝臓のチトクロームP450で代謝される。アルチカインは、アミド型でありながら構造中にエステル結合を含み、肝臓のみならず血中の非特異的エステラーゼでも代謝されるため、他のアミド型局所麻剤より代謝が早く安全域が広いことが特徴とされる。
アルチカインは1969年にドイツのRuschingらが発見し、74年に同国で局所麻酔剤として承認を受けた。配合剤(アルチカイン・アドレナリン)は88年にフランスで承認されて以降、24年3月時点で欧米を含む93の国・地域で承認されている。国内では「歯科医療にたいへん有益な局所麻酔薬」として、岡山大学医歯薬学域の宮脇卓也教授らが中心となり、16年10月以降、同大学病院で第Ⅰ/Ⅱ相試験、21年6月から全国10施設で第Ⅲ相試験を実施。24年9月に8年越しで承認を取得した(ジーシー昭和薬品が資金支援)。日本での新しい歯科用局所麻酔剤の誕生は20年以上ぶりという。
PMDAの「新医薬品の新薬承認品目一覧」および2024年10月25日現在の情報(各薬剤のインタビューフォーム、医療用医薬品添付文書、審査報告書、各社プレスリリース等)に基づき作成
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本島玲子(もとじまれいこ)
「自分の常識は他人の非常識(かもしれない)」を肝に銘じ、ムズカシイ専門分野の内容を整理して伝えることを旨とする。
医学・医療ライター、編集者。薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師。