大阪府薬事審議会医薬品販売適正部会は2024年度2回目の部会を開催、濫用防止対策を念頭に置いた「薬局・医薬品販売業に従事する薬剤師及び登録販売者の資質向上に向けた取り組み」(大阪府盤アクションプラン)の内容を固めた。年度内に開かれる薬事審議会で答申を受けて、大阪府ホームページに公開する。この日の部会では、アクションプランを「実践ガイド」に名称を改めることも合意された。
一般用医薬品の乱用対策、いわゆるオーバードーズ対策については、前回審議内容を受けて、空箱設置の推進、濫用者向けケア情報の発信などを詳細にガイド化する方向でまとまった。また、10月31日に開かれた厚労省の医薬品医療機器制度部会における医薬品販売制度の見直しに関する資料のレクチャーも行われ、濫用対策として連絡先の記録等、国の議論が進んでいる状況も説明された。
こうした内容を受けた論議では、オーバードーズ目的で来店する消費者には登録販売者が最初に対応するケースが多いとして、登録販売者のさらなる意識向上策が必要との意見も示された。
ポリファーマシー対策を主目的とする「薬局薬剤師による薬剤レビューで」は、前回審議での指摘などを受けて、薬剤レビューが有効である患者の例を具体的に示すこと、情報整理表の活用、薬物治療を最適化するサイクルの図示などが追記された。
薬剤レビューの実施例も示され、80歳の高齢者に処方されていた14剤を、2剤を中止、1剤を減量したケースをテキストにした論議も行われた。とくに検査値などもっと具体的なデータを総合化することで、さらに処方数を減らせるとの指摘も相次ぎ、薬剤レビューは現状では進化途上であることをアピールする工夫も求められた。
なお、大阪薬科大学では生涯学習の一環として、来年度から薬剤レビュー研修会を企画していることも明らかにされた。