大病院中心に救急医療情報などのデータ収集・構築・提供事業を展開するTXP Medical社とNTTコミュニケーションズは17日、10月に締結した資本業務提携に関して記者会見し、提携内容を明らかにした。両社のデータ構築機能と分析支援ノウハウを融合して、製薬企業にアピールする。
TXPは構造化された診療データ提供などの事業で、70近くの中核病院に提供しており、カルテデータなどの分析を通じて製薬産業とも提携が進んでいる。10月24日には、医薬基盤・健康・栄養研究所(基盤研)、大阪国際がんセンターと共同研究を進めているAI創薬プラットフォーム事業(生成AIを活用した患者還元型・臨床指向型の循環システム開発)について、「リアルタイムかつ自動更新される臨床情報収集バックアップシステム」が構築され、実用化がスタートしたことを明らかにしている。
一方、NTTコミュニケーションズは、ICTを活用した社会課題解決を目的とする事業「Smart World」を推進しており、ヘルスケアもそのうちのひとつ。TXPとの提携ではヘルスケア業界向けプラットフォーム「Smart Data Platform For Healthcare」と、同社が開発した秘密計算サービス「析秘」を活用したサービスを提供していく。
「析秘」(SeCIHI)は断片化された情報を復元しないで演算処理可能な技術。不正アクセスができないことを新薬開発企業などにアピールしていく。TXPとの提携で分析支援等のアセットの課題解決に貢献するとしている。