大阪府薬務課は24日に開催した2024年度薬事審議会で、地域連携薬局に関する実態把握調査結果を報告した。大阪府の地域連携薬局は、原則中学校区に1薬局以上との厚生労働省の想定基準に対し、458中学校区中295軒(昨年末現在)にとどまっており、同じ大都市圏である東京都や神奈川県に比して大きく後れをとっている。実態把握はその原因を探るために実施された。
調査は昨年7月下旬から8月にかけて、認定薬局を対象にオンラインシステムで行われた。回答数は203件で、回答率は66.1%。
回答結果をみると、連携薬局の認定表示をした後の患者の反応については、9割が「ない」と答え、薬局と患者間のメリットは薄い。一方で、多職種との連携など地域連携を意識することで、勤務する薬剤師の姿勢に変化がみられたとの認識も伝えられている。
認定参画への動機は在宅医療機関を中心に在宅療養現場からのリクエストに応じたとの回答が多数に上った。ただ、認定に際しては認定手続き、地域包括ケア会議への参加の難しさ、計画的な研修実施の難しさなどが指摘された。
この結果を受けて、薬務課は薬事審議会に対し対応策案を提示、了承を得た。対策は認知度の低さに関してはSNSの活用による府民への周知等を示した。
認定が目標に届かない最大の障壁である認定要件に関しては、地域包括ケア会議への出席形態について柔軟な対応を国に求める姿勢を明らかにしたほか、地域支援体制加算届出施設(大阪府薬2300件)に好事例を情報発信し、認定薬局の新規取得促進の意識向上を図る。
認定薬局への認知度が低い医療機関、関係団体に対しては、在宅医療関係団体に名簿を配布する方針を示した。また、多職種の介護関係者に対し、認定薬局は在宅の実績があり、地域包括ケアを担う役割を有していることをアピールする必要も認めた。
薬事審では、主に医師、医療機関の委員から、認定薬局が在宅医療・介護で今後も大きな役割を果たすことに強い期待を示す発言が相次いだ。