湧永製薬株式会社
代表取締社長
湧永 寛仁氏
ワクナガオブアメリカ

住吉 博道氏


 4年に1度のうるう年。オリンピックの年であり、2月29日のある年である。この4年に1度の2月29日を誰よりも心待ちにしていたのは、2月29日生まれの人だけではない。熟成ニンニク抽出液を使った滋養強壮剤『キヨーレオピン』を世界展開している湧永製薬こそが、どこよりも誰よりも「2月29日=ニンニクの日」を心待ちにしていたといっていいだろう。


 湧永製薬の「2月29日=ニンニクの日」に対する取り組み方は目を見張るものがある。この日を対象とした数々のキャンペーンのみならず、この日に合わせてメディアを集めてセミナーを開催。熟成ニンニク抽出液の効能・効果に関する研究成果を大々的に発表した。


 果たして熟成ニンニク抽出液にはどのような効能・効果があるというのか? 同社主催のメディアセミナーを取材した。

 熟成ニンニク抽出液(AGE)の効果について語ったのは、湧永製薬のアメリカ法人である「ワクナガオブアメリカ」の住吉博道社長。


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 AGEには、動脈硬化を抑制する効果があるのか? UCLAハーバーメディカルセンターでは、心臓発作などの心疾患リスクが一般人より2〜4倍高いとされる消防士に対して、当社製品『Kyolic』——キヨーレオピンの海外ブランド名。AGEとコエンザイムQ10(CoQ10)が配合されている——を使った臨床試験を行っています。


 治験の対象者はカリフォルニア州ロサンゼルス郡の消防士65人。参加者は無作為に2群に分類。1群は1日当たり1200mgのAGEと120mgのCoQ10を1年間服用。残りの1群にはプラセボを服用させました。


 結果は、AGE+CoQ10投与群で冠動脈へのカルシウム沈着スコアの上昇が、プラセボ群に比べて45%抑制。頚動脈の脈波伝播速度も、プラセボ群に比べて有意に遅くなっているほか、大腕部を止血・開放後の手指の温度上昇も高くなっていることから、血管の柔軟性が増していることが示唆されるというものでした。

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つまり、『Kyolic』を1年間服用することで——


・冠動脈へのカルシウム沈着が抑制される


・血管の柔軟性が増す


——という結果が出たということ。治験を担当したUCLA医学部のマシュー・J・バドフ教授によると、「AGE+CoQ10を服用することで動脈硬化、それに伴う重篤な疾患の発生を抑制できる可能性が示された」「AGEにはコレステロール低下作用、血小板凝集抑制作用、血圧低下作用も報告されており、循環器疾患予防に適していると考えられる」とのこと。


 この報告を文字通りに受け取るのであれば、高血圧の予防策としては、ダイエットや運動、減塩と同じくらいにAGEの服用は効果的……ということになろう。そして、AGEの効果は、動脈硬化抑制の他にもあるという。


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 次にフロリダ大学栄養学部で行われた臨床試験について紹介します。これは風邪の罹患・症状軽減について行った二重盲検臨床試験で、対象者は120人の健常人です。90日間のAGE(2560mg/日)及びプラセボ薬服用期間中における風邪の罹患・症状などを記録した日誌より解析した結果、AGE投与群はプラセボ群に比べて、風邪の症状や風邪による休暇日数が有意に減少していました。


 また、服用から45日目に測定した免疫機能では、AGE投与群においてNK細胞活性が服用前に比べて2倍増、同様にγδT細胞活性も1.8倍増を記録。それぞれプラセボ投与群に比べて有意に増えていました。この結果は、AGEの服用によって免疫機能が活性化され、風邪の症状軽減につながったことを示唆していると考えられます。

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 AGEが風邪の症状を軽減するという効果については、同社が実施した疫学調査でも同様の結果が出ている(『臨床医薬』04年7月号。「キヨーレオピンおよびレオピンファイブの風邪予防効果に関する疫学的調査」)。


 ニンニク(その抽出液を熟成したAGE)が、どのような形で風邪に作用するのかについては、現時点でハッキリしたことはわかっていないといっていいのだろう。しかし、長期間の服用により風邪の症状軽減や予防に効果がありそうだ——ということだけは、臨床試験と疫学調査の結果から見て、「ある程度正しいこと」と認めてもいいようだ。


「ニンニクは未だにわからないことが多い。だからこそ私たちはニンニクを生涯の仕事に仕事にしたい」という湧永寛仁社長の言葉が示すとおり、同社がニンニクの持つ可能性をどこまで引き出し、どこまで証明できるのか? 次の「2月29日=ニンニクの日」が楽しみになるセミナーだった。(有)