(写真提供 ブレインズ・カンパニー)

日本ベクトン・ディッキンソン

ダイアベティーズケア事業部長

南湖淳氏


 医療用機器の製造販売を手がける日本ベクトン・ディッキンソン(東京・港)が1月末より、極小インスリン用4mm注射針、「BD マイクロファインプラス™ 32G×4mm」の発売を開始する。2010 年5月に発売した現行品に、「ペンタポイント技術」と呼ばれる新技術を施し、注射時の痛みを減らすことに成功した。



 3面にカットされていた現行品の針先を5面へと変更し(図参照)、針の太さを変えずに針先を細く加工したことで、穿刺(せんし)抵抗を23%軽減。これまで針の細さのみが追求されてきた注射針の開発に新風を吹き込んだ。アメリカやカナダなどでは昨年後半より発売している。



 4mm針は一般的に皮膚をつまみ上げて注射する必要がなく、穿刺部位の選択範囲を広げることができるため、皮膚の硬化がインスリンの吸収を不安定にするデメリットも防ぐことができる。また同時に、筋肉内注射のリスク軽減も期待できる。


 現行品を順次、新製品へ切り替えていく。納入先の病院や卸の在庫を考慮に入れ、「約一ヵ月程度」(同社)での完了を視野に入れる。


 25日に都内で行われた会見で、ダイアベティーズケア事業部長の南湖淳氏は日本国内における新製品の臨床試験について、「これから」とした。価格は現行品に据え置き、サービスレベルの向上をはかることで、「針のリーディングメーカー」(同氏)としての地位を確立する構えだ。


 同社は4 mm 注射針を世界で初めて発売。日本ではこれまでに約7000万本を販売している。日本国内における注射針の年間生産量は約10億本。


----------------------------------------------------------

日本ベクトン・ディッキンソン

http://www.bdj.co.jp/