カナダ国内で、独バイエルが発売する経口避妊薬「ヤーズ」と「ヤスミン」が原因と疑われる死亡事故が発生した。地元メディアのカナダ放送協会(CBC)が11日に報じ、AFP通信が配信した。死亡者数は23名。有害事象も含めると、被害女性の数は約600人にのぼるという。現地の医師と薬剤師がカナダ保健省に対して副作用を報告し、CBCが同省から入手した文書を引用、報道して明らかとなった。死亡原因の大半は血栓症によるものとされている。

 ヤーズは日本国内で、月経困難症治療薬として2010年7年に承認、11月より発売されている。最審査期間は8年。今回指摘された血栓症に関する注意喚起は、発売当初から添付文書に記載されていた。ヤスミンは国内未発売。同社日本法人のバイエル薬品(大阪・北)は、「現在、事実を確認中」としている。ヤーズの12年度における日本国内の売上高は、58億2600万円(前年比85.7%増)。今年4月に行われた会見では、高脂血症治療薬の「ゼチーア」などとともに、同社の「成長を牽引する製品」として、大きな伸びを期待されていた。

 13日18時時点で、バイエル薬品は国内の各部署から情報収集を行っている。今後の対応については「現在、話せることはない」。また、服用リスクについては全ての販売国で事前通達をおこなっているため、「今回の薬害とヤーズの因果関係は、必ずしもあるわけではない」としている。

 18日10時時点においても、いまだ社内調査中であり、「お話できることはない」。国内対応においても未決定。


※内容を追加して再送しました(6/18 10:00)


-----------------------------------------------------------

  「出逢い・DI」では、医療・医薬品関連業界に従事する皆さまの身近な情報を、コンテンツづくりに活かしていきたいと考えています。取材要請や内部告発など、現場発の情報をお待ちしています。情報をお寄せいただく際には、さしつかえなければ、メールアドレスや電話番号などのご連絡先をお知らせいただけますと幸いです。「出逢い・DI」では、現場の最前線で働く名も無き企業戦士の立場に立った記事を書いていきます。