日本医療機器材工業会(中尾浩治会長、医器工)は今年中をめどに法人格のない任意団体から、一般社団法人へ移行する。会員企業数の増加や社会的ステータスの確立、海外展開による競争力強化を鑑みて決断した。5日に開催された同会総会後の記者会見で明らかにした。


 中尾会長は医療機器業界を取り巻く環境の変化について、規制緩和と産業の成長力の重要性を強調。先月24日に閣議決定された薬事法改正案について、「少なくとも秋の通常国会で成立されるのでは」と期待を寄せた。ただ、「(改正だけで)すべてがOKとは捉えていない」とし、厚生労働省との間で今後、法の運用に関する具体的な議論を重ねていくとした。また、名称変更後の略称にも「医療機器」の文言が盛り込まれる予定であることについて、嬉しさをにじませた。


 続けて、市場の成長が官主導で行われることについて「筋違い」と指摘。「良い意味でプレッシャーがある」としながらも、民が舵取りを行うことの重要性について説明した。


 世界中で約30兆円といわれる市場規模が、人口動態や技術の進歩により、今後40年間にわたって毎年4〜6%伸びると予想。「(医療機器業界は)非常に恵まれている」と述べた。また、イノベーション創出のための人材育成について触れ、「ものづくり」よりも、新たなアイデアを生み出す「ことづくり」できる人材が今後重視されるとした。