(写真提供 : ファイザー)


 18日に行われたファイザーとマイラン製薬の共同会見において、ファイザーの松森浩士取締役執行役員エスタブリッシュ医薬品事業アジアパシフィック地域担当バイスプレジデントが、昨今頻発する原薬問題について、同社の姿勢を表明した。発言要旨は以下の通り。


 原薬の供給元に対して、契約前に厳しい品質確認を行っていく。現地査察やダブルソース化などを今後、必要に応じて評価していく。今年の1月から2月にかけて発生した問題は、ある同じ供給元から多くの会社が原薬を購入していたことが原因だった。


 究極的なことをいってしまえば、製造工程を24時間監視しないと、こういった問題は完璧に防ぐことはできない。しかしそれは不可能だ。だから、定期的な査察や監査が必要となる。それ以外に方法はない。ファイザー、マイラン両社でも体制作りを強化していく。


 また、原薬コントロールにおいても、マイランは自社のグローバルなノウハウがあり、ファイザーも新薬ビジネスで同様のノウハウを培ってきた。それらを融合させて、ファイザースタンダードとし、供給元に伝えていく。これまでのファイザーのルールからしてみると当たり前。ダブルソース化の可否にかかわらず、監査は日常的に行っているし、今回のスキームの中でも、同じ方法を適用するというだけだ。


 正確に把握しているわけではないが、日本のいくつかの後発品メーカーは、もしかしたらダブルソース化をまったく行ってこなかったのかもしれない。新薬メーカーの感覚からいうと、ダブルソース化は当たり前の話であるから、原薬問題が表面化した時は、正直いって驚いた。しかし、原薬問題は一定の頻度で世界中で発生しているし、別に後発品だけの問題といったことではない。だから、そういった事態を未然に防いだり、きちんとアラートを鳴らすことが重要なのであって、裏を返せば、それが会社の「実力」といえるのではないか。マイランとの業務提携においても、問題を100%なくすことはできないかもしれないが、可能な限り、リスクを減らしていきたい。