薬剤師問題議員懇談会・伊吹会長「常に新しいものを」
反ネット販売をかかげる日薬の記念式典で

薬剤師問題議員懇談会
会長
伊吹文明氏


 現衆議院議長で、薬剤師問題議員懇談会会長の伊吹文明氏が9日、一般用医薬品のインターネット販売に強く反対する日本薬剤師会の記念式典でスピーチを行った。全文は以下のとおり。


※書き起こしにあたっては、必要最低限の編集を行っています。


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 日本薬剤師会の120年の歴史は、患者や健康を心配している国民と向きあい、地域や医療機関で努力してこられた皆さまの先輩・先生方の120年であったと思います。また、薬剤師の皆さま方が使命感や誇りを持ってお仕事ができるように努力された、歴代役員の皆さま方が積み重ねた120年でもあります。これからも国民のためにどうぞよろしくお願いしたい。


 私は今日、薬剤師問題議員懇談会会長として皆さま方の「同僚」としてここへ参っておりますので、式辞はあえて作っておりません。私たちはずっと一緒に日本の医療を守るため、その中でも特に、薬剤師の皆さまが果たしていただく役割を守るために努力して参りました。安倍総理もまた、この薬剤師問題議員懇談会の会員でありますし、かつては自由民主党の当時の社会部会長、今の厚生労働部会長として、薬剤師問題に取り組んでいただいた方でございます。


 今、成長戦略の一環として、インターネット販売の問題が大きくクローズアップされております。人間の成すことですから、長所もあれば短所もございます。長所は必ず短所に通じます。「雄弁」といわれる方は、別の人が見れば「おしゃべり」ということになりますし、「慎重」な人や「無駄をしない」人が、「グズで何にも決められない」人と見られることもあるわけです。インターネット販売にともなう利用者の利便という長所を、最大限に活かしながら、失敗の無いよう短所をおさえていかなければならない。薬剤師や登録販売業者の先生方のような有資格者以外、端末の開設は許されていません。有資格者かどうかの識別方法、今までインターネットに馴染みのなかった薬店・薬局の方々に端末を利用していただく方法、また、その助成措置をどうしていくのか—。それは田村厚生大臣にかかっているといえます。


 われわれは、大切なことを伝統として守りぬくと同時に、常に新しいものを付け加えて生きていかねばなりません。国民のために、患者のために皆さま方が何を成せるか、これをわれわれ薬剤師問題議員懇談会はご一緒に守り抜いてまいりたいと思います。今後の日本薬剤師会のご発展を心からお祈りして、ごあいさつといたします。

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