米ブリストル・マイヤーズスクイブの日本法人、ブリストル・マイヤーズ(東京・新宿)は日本国内の2型糖尿病市場に本格参入する。米ブリストル社がアミリン・ファーマシューティカルズ(カリフォルニア)を昨年8月に買収したことで、英アストラゼネカと世界的な販売提携を深めたことがきっかけとなった。日本国内での提携も同様に強化し、アストラゼネカ(大阪・北)が日本イーライリリーより製造販売承認を取得した、GLP-1受容体作動薬「バイエッタ」と「ビデュリオン」をアストラ社とともに販売する。


 それにともないブリストル社では今年3月、社内に糖尿病領域営業部を設立。今月1日には、アストラ社とのバイエッタの販促を開始した。5月16日には週1回の投与剤としては世界初の商品となる、ビデュリオン(2月薬価収載)の発売も開始する。


 エマニュエル・ブリン社長は15日に都内で行われた会見で、今後の展望について「2型糖尿病(市場)におけるリーダーになる野心がある」と意気込みを見せた。また、ビデュリオンの持つ優位性についても「革命的」と表現。バイエッタの販売で培ったネットワークを活用し、専門医を主な対象としてビジネスを行っていくとした。しかし、同じく2型糖尿病治療薬で、現在、第3相試験段階にあるSGLT2阻害薬「ダパグリフロジン」の具体的な申請時期については、コメントを避けた。


 販売強化にともない、同社では医薬情報担当者(MR)を初めとする人材の育成にも注力する。30代の社員を主な対象としてMBAプログラムなどを実施する。人材採用も積極的に進め、14年度には380人以上を予定している。