(写真提供 : ジェイ・ピーアール)


 米国研究製薬工業協会(PhRMA)のアルフォンゾ・G・ズルエッタ在日執行委員会委員長(日本イーライリリー社長)が13日の同社会見終了後、環太平洋経済連携協定(TPP)についての見解を、医薬経済社に明らかにした。安倍政権は同協定に近く参加表明する意向だが、後発国が再交渉を要求できず、7月まで協定素案が閲覧不能になるなど、日本にとって不利な条件がちらついている。

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——最近の一部報道によると、TPP交渉が日本のような後発国にとって、不利な条件が多いことが明らかになった。2月1日のPhRMA会見では、日本の医療制度は優れており、「国民皆保険をサポートしていく」と発言していたが、現状をどう見るか。


 PhRMAおよび日本イーライリリーを代表してコメントをする。TPPに関する決定については、日本政府に依るものであり、政府が今後、いかなる決定を下したとしても、われわれは、それをサポートする立場にある、とだけ考えている。また、われわれが早い時期から、強く、そしてはっきりと信じているのは、国民皆保険制度が日本にとって、まさに適切なシステムであるということだ。それを変えることを奨励するといった動きは、われわれにはない。


——それは、在日執行委員会委員長としての「明言」という形でとらえてよいのか。


 先月の会見でも発言したように、まったくその通りだ。


——日本に対する規制緩和への要求などもふくめ、米国資本の製薬企業はビジネス上、優位なポジションにいるのでは。


 詳細についてはコメントできない。われわれがいえるのは、産業イノベーションや皆保険制度をサポートしていくということ。これは、あくまでも米国の医薬品業界ならびにPhRMAを代表としての発言であり、そのほかの業界を代表して、ということではない。