今年もすでに15日が経過したが、すでに今年の目標を諦めた人がいるかもしれない。目標の設定は、実力の105%くらいがんばれば達成するけれども、95%ならちょっと達成しないというレベルがちょうどよい。すでに諦めてしまった人は、目標が実力をはるかに超えているのかもしれない。


 先週の14日に、いわゆる自己啓発セミナーに久しぶりに参加してきた。そこで学んだ目標に関するポイントを3つ紹介したいと思う。


(1)やめることリストをつくれ


 今の自分を超える目標を達成するには、何かをやめて、目標を達成するために時間を割かなければならない。キャリアコンサルタントの資格試験に合格した元MRは、合格するために、スマホのゲームを一切止めたという。あなたに与えられた時間は1日24時間であることに変わりはない。何かを実現したければ、何かを捨てなければいけない。


(2)100万円のコンディションで1000万円を得ることはできない


 これは、ビジネスの成功者がよく口にすることだ。例えば、昨年の実績が1億円のあなたに、今年は2億円の売上げ目標が課されたとする。もし、今までの思考と行動を変えなければ、2億円を実現することは難しいだろう。新たな目標を達成するためには、ゼロベースで目標を達成するための行動プランを考える必要がある。


(3)「結果」を変えたければ「行動」を変えろ。「行動」を変えたければ「決断」を変えろ。「決断」を変えたければ「考え」を変えろ


 これは、(2)をさらに細かく分類したものだ。今のあなたの「結果」は、すべてあなたの「考え」(マインドセット)が生み出したものである。目標を達成できないという「結果」は、「考え」そのものが目標を達成できないものになっているからだ。「結果」←「行動」←「決断」←「考え」の“逆プロセス”は、MRを指導する立場の管理職にぜひ意識してほしいポイントだ。


 最後に、目標を諦めてしまった人におすすめしているワークがある。“未来インタビュー”というもので、未来に目標を達成したことを前提に、「なぜ、高い目標を達成することができたのか?」とインタビューしてもらうというものだ。


 このワークをすると、やるべきことをわかっているのか、それともやり方すらわかっていないのかを自分と上司がともに認識することができる。 


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川越満(かわごえみつる) 1970 年、神奈川県横浜市生まれ。94年米国大学日本校を卒業後、医薬品業界向けのコンサルティングを主業務 とするユート・ブレーンに入社。16年4月からは、WEB講演会運営や人工知能ビジネスを手掛ける木村情報技術のコンサナリスト®事業部長として、出版及 び研修コンサルティング事業に従事している。コンサナリスト®とは、コンサルタントとジャーナリストの両面を兼ね備えるオンリーワンの職種として04年に 川越自身が商標登録した造語である。医療・医薬品業界のオピニオンリーダーとして、朝日新聞夕刊の『凄腕つとめにん』、マイナビ2010 『MR特集』、女性誌『anan』など数多くの取材を受けている。講演の対象はMR志望の学生から製薬企業の幹部、病院経営者まで幅広い。受講者のニーズ に合わせ、“今日からできること”を必ず盛り込む講演スタイルが好評。とくにMR向けの研修では圧倒的な支持を受けており、受講者から「勇気づけられた」 「聴いた内容を早く実践したい」という感想が数多く届く。15年夏からは才能心理学協会の認定講師も務めている。一般向け書籍の3部作、『病院のしくみ』 『よくわかる医療業界』『医療費のしくみ』はいずれもベストセラーになっている。