シリーズ『くすりになったコーヒー』


漫画・珈琲一杯の元気』発売2ヶ月で増刷になりました。本屋さんでは、どんな風に売られているのでしょうか?ちょっと気になって見てきました。するとっ・・・何と医学・薬学の専門書に囲まれて・・・堂々と平置きされているのです。


 写真は日本橋・MARUZENの薬の専門書置き場です。MARUZENさん、どうもありがとうございます。



 さて、この写真をよく見ますと、『珈琲一杯の元気』の左側には、薬理学の入門書。医学部・薬学部の新入生がターゲットの本と思われます。「これならわかる」と書いてあるので、「専門外の読者にもわかるかな?」と手にしてみましたが、ちょっと無理かなっ・・・。


 右側の本はどうでしょう。これは明らかに「近い将来の薬剤師像が気になる現役の薬学生」が読む本でした。他にも多分、薬学部を受験しようと思っている高校生の親が読むかも知れません。


 では次に真上にある本を立ち読みしました。この本は、言ってみれば消費者にとって超不可思議で超難解な薬局の仕組みの話。チェーン調剤薬局の社長の給料が何故超高いとか、お薬手帳は役に立っているかとか、ときにTVや新聞に出てくる社会現象の解説でした。読めば読むほど超複雑です。


 そして左上は純粋に薬理学の専門書のようですが、実は大学で薬理学の授業を選択したのに単位が取れなかったという学生さんが対象のようです。薬理学を甘く見ていた薬学生が卒業して、反省しながら学び直すという本でした。


 さてこうして見てきますと、並んでいる本に共通の傾向は、「難解な薬理学をできるだけ平易に、しかも正しく表現する」ということです。MARUZENさんにとって、『珈琲一杯の元気』は、読みやすく見やすく解りやすい専門書に分類されているのです。筆者は嬉しいような、悲しいような変な気持ちになりました。


●『漫画・珈琲一杯の元気』は教養本に分類してほしい。


 専門知識は専門家だけに役立つ知識のことです。一方、教養としての知識は、誰にとっても役立つ知識のことで、知って得する、知らないと損するというような知識のことです。


 今年4月1日、新食品表示法が施行されて、食べ物に含まれている栄養素や、栄養素ではなくても何か体に良さそうなものに、効能を宣伝して売ってもよいことになりました。消費者庁のホームページには、「食品表示制度が消費者の食卓を守ります」と書かれています(詳しくは → こちら)。でも、


●インチキ表示がまかり通るようになる。


 これこそ本当にありそうなことです。安倍内閣は規制緩和で経済発展と言いますが、規制を緩和すると必ずインチキが激増します。そんな時に役立つのが「教養としての薬理学」です。


●『漫画・珈琲一杯の元気』には、教養としての薬理学が詰まっている。


 教養とは、哲学や文学だけではありません。これからの時代、「教養としての薬理学」が必須科目となるでしょう。知らないとインチキ表示の健康食品に殺されます。


(第247話 完)


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