シリーズ『くすりになったコーヒー』


 酒やコーヒーはハゲの原因になると心配する人がいます。特に若ハゲの人は、男性も女性も深刻に思っているらしいのです。本当でしょうか?もし本当に酒とコーヒーがハゲの原因だとしたら、ハゲを心配する人はストレスを癒す方法を2つも失ってしまいます。


 さてハゲの原因を調べてみましたが、確かな情報は出てきません。育毛剤メーカーのホームページを見ても、酒やコーヒーが原因との記述は見当たりません。例えば、「ハゲ大学( )」を覗いてみますと、こう書いてあるのです。


・アルコール・・肝臓が傷んで、髪の毛に必要な栄養が不足する。

・タバコ・・・・毛細血管が収縮して、毛根が頭皮から剥がれ、ハゲる。

・ストレス・・・毛細血管が収縮して、髪に栄養が行かなくなる。

・睡眠不足・・・毛根を太くするホルモンが働かなくなって、ハゲになる。

・運動不足・・・若ハゲの原因である。

・男性ホルモン・髭は濃くなるが、髪は薄くなる。

・栄養不足・・・神経とホルモンのバランスが崩れて、ハゲになる。


 こんな具合に酒(アルコール)とタバコは出てきますが、コーヒーは出てきません。


 それでは逆に、「コーヒーはハゲを防ぐ?」かなと調べてみますと、それが驚いたことに、あるのです。


●カフェインは、毛母細胞を刺激して、発毛を促す(詳しくは → こちら)。


 コーヒーそのものではありませんが、カフェインが発毛を促すという論文です。図を描いてみましたので、よくご覧ください(詳しくは → こちら)。



 カフェインの効きめとは、どの程度なのでしょうか? 実際のハゲで実験したデータではないので、詳細は不明です。毛母細胞を試験管に入れて、そこにカフェインを加えたら発毛した・・・という実験なのです。男性ホルモンが発毛を妨害するので、女性よりも男性の方にハゲが多いことがわかります。


●カフェインは、テストステロンの活性化を抑えるので、毛母細胞の発毛が促される。


ということなのです。この原理を応用して、ドイツ産のカフェイン入り洗髪用シャンプーが日本でも売られています( こちら)。


 では次に、髪の毛に問題を抱えた男性の意識調査の結果です(詳しくは → こちら)。


 結果だけを簡単に説明します。ハゲを物凄く意識する人がいるかと思えば、まったく平気な人もいます。その差がなぜ生まれるのかはわかりません。ただ、ハゲを何らかの方法で手当てした人のほぼ半数が、「男の自尊心が回復した」と答えたのです。ただしこれはヨーロッパ人の調査です。日本でもこういう調査をしてはどうでしょうか?育毛剤メーカーの方、宜しくお願い致します。


●以上、詳しくは、「カフェイン もうドーピングなどとは言わせない」をご覧ください( こちら)。


(第200話 完)


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