シリーズ『くすりになったコーヒー』


 去る2月1日、第4回分子状水素医学シンポジウムへ行ってきました(詳しくは → こちら)。


 昨年の宿題に答えが出たのかどうか、確かめに行ったというわけです。すべてが明らかになったわけではありませんが、多少の満足感がありました。まず1つ目は水素水を飲んでパーキンソン病を治療するというお話です。


●パーキンソン病には、飲む水素水だけが有効だった(詳しくは → こちら)。


 千葉大学医学部の松本明郎先生は、水素水でパーキンソン病を治療するという他人の論文に興味をもって、その訳を知りたいと考えたそうです。水素ガスを吸ったり、水素のお風呂に浸かったりするのではなく、飲んだ水素だけが効く理由を調べたのです。その結果わかったことは、次のようなことでした。


●水素水を飲むと、胃に作用してグレリンというホルモンができて、これが脳に入ってグレリン受容体に結合する。


 すると、脳内に成長因子が放出されて、運動神経が死なずにすむので、パーキンソン病がよくなるというのです。詳細は今後の研究に委ねられますが、いよいよ水素分子の薬理学が始まるの・・・という気分になりました。



 もう1つの発表は、水素水で慢性関節リウマチを治療するという、コーヒーでは考えられないお話です。


●慢性関節リウマチの患者さんに参加してもらって、小規模ながら水素水の臨床試験を行った(詳しくは → こちら)。


 行ったのは、福岡市にある原土井病院の石橋徹先生です。近年のリウマチ治療の進歩には目覚ましいものがありますが、高価な薬をほぼ一生飲み続けなければなりません。それに比べますと、水素水を飲んで関節の痛みが消えたとか、とにかく元気が出たということは、患者さんにとって何よりの恩恵でしょう。誰にでも効くというわけでは無さそうですが、医薬品とは違った効果を、患者も医者も実感できるのだそうです。


 さて、コーヒーを飲むと多くの病気の予防につながるのですが、慢性関節リウマチは例外で、コーヒーで予防することは不可能です。石橋先生に続いて、水素水でリウマチを予防したり、軽いうちに治療する方法が普及すれば、これほど役に立つことはありません。


 ということで、今回のシンポジウムでは、水素の薬理学の始まりを見たという印象がありました。そこで筆者が思うことは、コーヒーと水素の結合です。


●廣瀬式水素コーヒー(第180話を参照)が完成すると、コーヒー単独、水素単独よりもずっと確かにパーキンソン病の予防が実現するでしょうし、治療にも一層有用となることでしょう。


●コーヒーはリウマチを予防しませんが、広瀬式水素コーヒーは、水素水単独よりも効果的かもしれません。


 水素の薬理学が始まったおかげで、コーヒーにまた1つ魅力が加わって来そうです。


(第197話 完)


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