シリーズ『くすりになったコーヒー』


 ちょっと午後の仮眠をというときは、コーヒーを飲んでから寝るとよい。午後の作業能率の低下を防ぐことができるのです(詳しくは → こちら)。


●コーヒーを飲んでから仮眠すれば、目覚めスッキリと気持ちよい。


 カフェインが「眠気覚まし」であることを知っている人には、嘘のような話だと思いませんか?でもこれは、本当の話なのです。広島大学の林光緒教授の2007年の論文です。


 では、カフェインが仮眠(プチ昼寝)の目覚めをよくする理由を考えてみます。


●カフェインの中枢作用が、爆睡する前に発現して、仮眠の目覚めをよくしている。


 カフェインを飲んでも、直ぐに効くわけではありません。どんな薬でもそうですが、飲んだ薬は腸から吸収され、血液に入って全身を巡り、効いてほしい部位まで行き着いて、初めて効果が出るのです。カフェインの目覚まし効果は、カフェインが脳に分布して、そこではじめて現われます。



●飲んだカフェインが脳まで行くには、早くても20分はかかる。


 それからまた少し時間が経って、脳のなかのカフェインが増えて、ようやく効果が出るのです。ですからまあ早くても30分はかかります。ですから、カフェインを飲むタイミングとしては、仮眠の20分前ということになるのです。でもこれには個人差がありますから、試してみなければ何とも言えないのです。


 仮眠とコーヒーの効果を確かなものにするためには、昼食後とか、おやつの後とか、食べた後に限ります。食べものが胃に入ると、体は自然に迷走神経を活性化して、逆に交感神経を抑制しますから、自然に眠くなるのです。コーヒーを飲んでも直ぐに眠れるタイミングと言ってもよいでしょう。


●医学的にも、食べた後しばらくは働かないで、寝たほうがよい。


 そうなのです。運動したり頭を使ったりしますと、胃腸を巡っていた血液が、筋肉や脳へ行ってしまいます。その分消化に時間が掛かってしまうのです。食後は一休みして、迷走神経に働いてもらって、それからスッキリ目覚めして、交感神経に働いてもらいます。そうすれば、消化吸収して余った栄養素が、お腹に溜まらずに燃えてくれます。


●睡眠不足は肥満のもと(詳しくは → こちら)。


 これまでの常識とは違うような気がしますが、「寝る子は育つ」という言い伝えは、体格には当てはまらないのです。また、中年で激務のサラリーマンにストレス太りが増えているのは、眠りが足りないせいなのです。夜の睡眠時間が不足する分は、昼間の仮眠で補うことです。これが意外にもダイエットに効果的な生活の知恵です。


 新格言は次の通り。


●子供も大人も寝ない子は太る。


(第186話 完)


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