シリーズ『くすりになったコーヒー』
水素水を飲んだり、水素温泉につかったり、そんな水素分子が人気を呼んでいます。人気の元は水素分子がもつ抗酸化作用で、医学的に証明されつつあるからです(詳しくは → こちら)。
昨年1月、「コーヒーに水素水を入れて飲む」という太田成男教授の話を書きました(第123話)。今回は、「入れて飲む」のではなくて、もともと「入っている」という話です。「水素コーヒー」はどんどん進化していますから、水素とコーヒーのW効果が実現できる日が近づいています。
●過熱水蒸気焙煎したコーヒー豆には大量の水素分子が入っている。
イグノーベル賞学者でもある珈琲博士・廣瀬幸雄名誉教授が発明した過熱水蒸気焙煎機でコーヒー豆を焙煎すると、水素分子を内蔵した焙煎豆ができてくるのです。最初の頃は、そんなこと夢にも思わなかったそうですが、1号機(第108話を参照)の完成から2年、珈琲博士の飽くなき探求心が本物の「水素コーヒー」を生み出したのです。
水素の効き目には定評がありますから、「水素コーヒー」の活用法は自ずと明らかです。コーヒー本来の病気予防効果に加えて、水素分子の抗酸化作用が働いて、酸化障害と炎症反応を未然に防ぎ、多くの病気を予防するはずです(詳しくは → こちら)。
水素分子とコーヒーの薬理学を、表にまとめたのでご覧ください。
この表はまだ未完成ですが、少なくとも、水素分子とコーヒーの効き目は似ていることがわかります。ですから将来「水素コーヒー」が市販されたなら、その病気予防効果には一層大きな期待がもてるのです。コーヒーと水素の間でどんなW効果(相乗効果)が起こるのか、興味津々です。
では、無酸素状態の摂氏500℃で過熱水蒸気焙煎したコーヒーの、何処に水素が入っているのか想像してみましょう。下図をご覧ください。
普通のコーヒーならば、ハニカム構造の隔壁には炭酸ガスが吸着し、空隙にも炭酸ガス(二酸化炭素)が詰まっています。「水素コーヒー」には、水素ガスと炭酸ガスが検出されるので、図のように、隔壁には水素ガスと炭酸ガスが吸着し、空隙にもこれらのガスが詰まっていると想像できます。
挽きたての「水素コーヒー」に湯を注ぐと、大量の泡が発生して、泡のドームを作りますが、その中には水素ガスと炭酸ガスが入っているというわけです。勿論、抽出したてのコーヒー液にも水素分子が溶け込んでいますから、飲めば水素の抗酸化作用が発現するというわけです。
1つだけ注意が必要です。
●廣瀬式「水素コーヒー」を淹れるとき、ドームに引火すると、小爆発が起こるかもしれません。
湯沸しの火を消してから、湯を注いでくださいね。
(第180話 完)
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