シリーズ『くすりになったコーヒー』


 世界一権威ある医学誌、ニューイングランド医学誌の最新号にとんでもない記事が載りました(詳しくは → こちら )。


●国民がチョコレートをたくさん食べている国ほどノーベル賞受賞者の人数が多い(下図を参照)。


 


 この図は、国別歴代受賞者の人数を、人口1千万人あたりの人数で比較したものだそうです。日の丸の位置を見てみましょう。山中伸弥博士の受賞は日本人として19人目だそうです。日本の人口は12億8千万人ですから、1千万人当たりに換算しますと、1.5人ということです。この数値が日の丸の縦軸になっています。横軸は国民一人が1年間に食べているチョコレートの量、単位はkgです。筆者はこんなに食べていませんけど、バレンタインデイにはいくつか貰うので、その分だろうと思います。


●ノーベル賞受賞者の人数はヨーロッパの国が圧倒的に多い。


 そんなこと当たり前でしょう。ヨーロッパ人が選ぶ賞にアジアの国がそんなにやきもきすることはありますまい。気になるのは、コーヒーはどうなっていますか? ということです。


 やってみました。しかし、結果は全然無意味! コーヒーをいくら飲んでもノーベル賞は貰えません。典型的な現象をフィンランドと日本に見ることができます。


●フィンランド人は、1年に1212杯のコーヒーを飲む世界1のコーヒー好きですが、ノーベル賞受賞者数は北ヨーロッパで最低です。


●日本人は、1年に20杯程度のコーヒーしか飲まないコーヒー貧民国ですが、ノーベル賞受賞者数は南ヨーロッパ並みに健闘しています。


 さて、コーヒーを多く飲む国の特徴とはどんなものでしょうか?第19話の図を参照して下さい。コーヒー消費量の多い国ほど平均寿命が長いという関係があるのです。しかし、これで日本人の長寿を説明することはできません。ですが有難いことに、これまたニューイングランド医学誌に、こんな論文が出たのです。


●コーヒーを多く飲む人の寿命は長い(詳しくは → こちら )。


 結局どういうことになるかと言いますと、


●コーヒーを飲むときはチョコレートを食べながら飲む。


 そうすれば、長生きして、ノーベル賞を受賞するチャンスも増えるというわけです。若い人、お勧めですよ。それにしても何故そうなるのでしょうか? コーヒーとチョコレートの薬理学の違いについては、またの機会と致します。


(第152話 完)


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